October 3, 2014

ブログ移転

ncRNAblog+は、新学術非コードRNAの終了に伴い、今後は下記のブログに引き継がれます。その名も、新学術ncRNAネオタクソノミ公式ブログ


アシベ探しの続きは新しいネオブログにて。
ncRNAblog+NeOではRNA研究者のちょっと意外な一面が見られるエッセーシリーズ、
【私の最初の研究テーマ】の連載を皮切りに、この業界の最新動向、過去の動向、秘密の情報、どんどん発信していきます。

皆さん長らくご愛読(?)ありがとうございました。


中川

August 30, 2014

アシベを求めて(3)

複合体が可溶化出来れば精製なんてオチャノコサイサイと思っていたのが大間違いで、結果として、単に我々の腕が悪かっただけなのでしょうが、MS2、PP7などのタグをつけて複合体を引っ張ってくるというアプローチはうまくいきませんでした。うまくいかないというのは要するに、関係のないRNAで引っ張ってきたコントロールとほとんど銀染のパターンが変わらない、ということです。

ーncRNAのモル数がタンパク質のモル数に比べて圧倒的に少ないために、バックグラウンドに隠れてしまう。
ーncRNAが非特異的にタンパク質に結合してしまうので、特異性が出ない。

という2つのことが大いに考えられるわけですが、実際の所どうなのでしょう?PBSで溶かしたらうまくいった!!という話が今後出てきてきてくれたら、むふふ、、、電車の中で思い出し笑いして人に見られて眠ったふりしてしまいます(ふ、古い)。

ともあれ、普通に溶かして精製してというアプローチに関しては勇気ある撤退をする事にして、でもそのまま撤退するのもあまりにも悔しいので、せっかくncRNA複合体を分画できたのだから、それをバンドでなく顕微鏡で見てやろうと思いました。そう。僕は顕微鏡マニアなのです。X線フィルムではなかなか見た気にならない。やはりレンズの向こうの像を見ないと、、、

ということで、SDGの分画をPLLコートしたスライドグラスにのせて、そのままin situ hybridization! 見えるかどうか半信半疑でしたが、GomafuとMalat1の複合体らしき着物が見えた時にはちょっぴり感動しました。I君、ナイスです。精製しているわけではないのでほかの複合体もたくさん基板上に乗っているでしょうからこのままAFMで観察、とかいうことは出来ないとは思いますが、生化学的な分画を顕微鏡で見る、というのは意外と簡単で、今後、生化学が得意な方々が試されればいろいろ面白い事が分かってくるかもしれません。というか、一分子観察とかは、基本的にはそういう発想なのかもしれませんが。

ともあれ、アシベ探しは振り出しに戻ってしまったわけですが、(1)でちょっと触れた通り、siRNAライブラリースクリーニングが、意外にも、うまくいっている感触がありました。発想は単純。ncRNAと複合体を作っているタンパク質がもしあるのであれば、それをノックダウンすれば、ncRNAの細胞内局在が変わったり、ncRNAの安定性が変化したりするのではないか、ということです。で、ncRNAと複合体を作っているのであれば、きっとそのタンパク質には既知のRNA結合ドメインを持っているだろうという事で、既知のRNA結合タンパク質のうち発現量の多いものから片っ端から購入したsiRNAのライブラリーをHさんが気合いでスクリーニングして、Celf3なるタンパク質が取れてきたわけです。Celf3をノックダウンすると、Gomafuが著しく減少する。これはCelf3がGomafuの安定化に関わっていることを示唆しています。しかも、Celf3は神経系の組織にしか発現していない。Gomafuも神経系でしか発現していない。実は、Gomafuを体全体で発現するトランスジェニックマウスを作っていたのですが、神経系の組織以外では発現が意外と少なく、これも神経系特異的に発現するCelf3がGomafuを安定化しているという仮説で説明できるかもしれない!!

 というわけで、Celf3を発現していないL-cellにGomafuを発現させ、さらにCelf3を発現させたらどうなるのか、というこれまた単純な発想で見てみたらツモ一発か!!L-cell ではGomafuはあまり核に蓄積しないのですが、Celf3を発現させると、それが奇麗に見られるようになる???実はこれは僕自身がやった実験で、にわかには信じがたかったのですが、結果は奇麗!!


と、これは自慢のデータだったのですが、ラボのメンバーには再現できないと却下されてしまいました。。うーん。難しい。トランスフェクションされやすい細胞がGomafuが蓄積しやすいとか、そのほかいろいろこの手のデータが出る可能性は考えられますね。Celf3を発現していてもGomafuが蓄積しない細胞はこの視野以外ではたくさんみられましたし、たぶん、Celf3だけあればよいというわけではないのだろう、ということで、これはお蔵入り。

でも、Celf3が本当にGomafuと相互作用しているのか?と聞かれると、心もとないところはあります。そもそもCelf3がGomafuの発現を制御しているだけかもしれません。やはりここは(直接)結合しているかどうかを確かめないと、ということでUV-cross link免疫沈降をすると、UVを当てた時だけ共沈してきます。しめしめ。ちなみに、当初ネガコンとしてとったMalat1やら7SKともCelf3は結合しているようです。


ともあれ、かなり直接に、GomafuとCelf3は結合している、ということが予想されました。しかし、Gomafuのin situ hybridizationとCelf3の二重染色をすると、


どう見ても重ならない。。。免疫沈降で共沈するけれども染色では共局在しない。これは経験上ncRNAと「結合」タンパク質との間では良くあるパターンで、レフリーの半分は、じゃあ結合事態がうそなんだろう、という反応を示し、レフリーの半分は、もう少し違う条件で染色をしたら?と言ってくれるのですが、どれだけ色々な条件を試しても、染色でCelf3がGomafuと共局在することはありませんでした。

というわけで、この、最初はグー!の実験は、さらに迷走に迷走を重ねる事になってしまいました。

中川



August 28, 2014

アシベを求めて(2)

まずはアシベ探しのそもそもから。

いまや定年間近の感もありますが??、Gomafuにも期待の新人、新規ノンコーディングRNAと呼ばれていた時期もありまして、そのGomafuの相棒、アシベ探しは僕のラボでは優先順位第一のテーマでした。2007年ぐらいの頃でしょうか。いろいろ関連文献をサーチして、その時は、Xistを始めとした長鎖ノンコーディングRNAの複合体精製になんでみんなそんなに手間取っているんだろう?と、素人目にはとても不思議に思っていました。タグ付き分子免疫沈降一発&マス解析で転写因子複合体を始めとした各種複合体が次々と同定されていた時代でしたから、RNAにも「タグ」がつけられるMS2やらPP7やら最新のツールを使えばすぐ出来るだろう、と軽く考えていたのですが、RNA業界に出入りするようになって、色々な方々の話を聞くにつれ、その事情がだんだん飲み込めてきました。つまり、

長鎖ノンコーディングRNAの複合体は溶けん!!

と、いう事のようなのです。確かに、全部ペレットに行ってしまったら、アフィニティー精製もヘッタクリもあったものではありません。イオン交換カラムで精製しようとしてカラムを通したらいきなり全部voidに行ってしまったぐらいのショックです。逆転の発想で徹底的に溶けないものを精製してタイトジャンクションの接着分子を突き止めた月田承一郎さんを見習えとばかりに一攫千金を夢見て核分画をひたすらグアニジンとかUreaで洗って残ったのは老舗のhnRNPAやらCとかでしたし、Gomafuのノックアウトマウスは実は結構早い段階で出来ていたので、野生型の脳のlysateをGomafuノックアウトに免疫して複合体に対する抗体が出来ないかなとかいう「あったらいいな」実験をやったりしてみましたが当然何も成果は得られず、やはりここは正攻法で可溶化条件を探すしか無いか、ということでいくつか条件を試したのですが、確かに、確かに、溶けません。いやというほど溶けない。いったんスネだしたら駄々をこねてその場を動かない子供のように、最初の非イオン性界面活性剤のマイルドな処理で不溶性ペレットにいったGomafuは、8M Ureaで懸濁しようが、グアニジンを突っ込もうが、何をしても溶けてきません。ちなみに、奇妙な事に、細胞をいきなりグアニジンに溶かせば、溶けます。ある意味当然ですね。TrizolとかIsogenには溶ける(そもそもtotal RNA回収の時はそうしている)わけですから。このあたり生化学詳しい方がおられたら原理を教えていただければと思いますが、変性条件をだんだん上げていって溶かそうとすると不溶性になってしまうけれども、いきなり超ド級の変性条件に突っ込むと可溶化する(ただし複合体が解離してしまうので使い物にならない)。これは難溶性RNA複合体に共通の性質のような気がします。

 そのころ、I君がラボにjoinしてくれて、アシベの生化学的な同定というチャレンジングな課題に取り組んでくれる事になりました。で、いきなり、実験始めて2週間。

「Gomafu、溶けました。」

ん???あれだけ溶けない溶けないと言っていたGomafuが可溶化出来た、、、だと。
にわかには信じがたかったのですが、たしかに、奇麗に溶けています。

Isizuka et al., Gene Cells (2014) 19, 704- より

どうやらトリックはPBSで、細胞質と核の分画等にはHEPESやPIPESでバッファをとるものが多いのですが(上図のCSKはCytoskelton BufferでPIPESベースの緩衝液です)、リン酸バッファーを使うと、つまり高濃度のリン酸が入っていると、RNAータンパク質複合体は可溶化しやすい、かもしれない、、という狐につままれたようなデータが出てきました(PBS-TXとは単にTritonX100を入れたPBSです)。信じられない事に、Neat1やらXistやらも可溶化されています。これって凄い事なのではなかろうか!しかも、可溶化分画をショ糖密度勾配遠心にかけると、それらのRNA-タンパク質複合体がなんとなくそう思っていた重さのところに分画されてきます。Gomafu複合体とMalat1複合体が同じぐらいの大きさ。Xistがそれより重くて、Neat1が含まれているパラスペックルの複合体が最長不倒距離の重さ。

Isizuka et al., Gene Cells (2014) 19, 704- より

なんだ、この問題、解けたようなものだと軽率に思ってしまった事が、アシベ探しという意味ではドツボの始まりになってしまいました。

中川

August 22, 2014

アシベを求めて(1)

リニューアルオープンするする言いながら、なかなかしない、するする詐欺になりつつありますが(まだ全然原稿依頼が出来ていない、、、)、新学術非コードRNA公式ブログ(書いててなんだか悲しくなってきますが)の最後はやはりこのネタでしめてみたいとおもいます。

じゃじゃーん(pdfリンク付き。クリックしても課金はされません)。

Formation of nuclear bodies by the lncRNA Gomafu-associating proteins Celf3 and SF1


この公式ブログ(…)を長らくご覧になっていた方は覚えておられますでしょうか。今を去る事約4年前。2010年10月。こんな記事を書きました。

そのほかにもいろいろエピソードはあるのですが、長くなるのでこのあたりでやめておきます。ちなみに、例のライブラリー、他にも当たりがあるかとYHさんは残りのすべてを丁寧に見てくれたのですが、結局Xistが散るのはhnRNP U、たった一つでした。一発ツモで親マンひいたみたいなもんですから、そうそう幸運が続くわけもありません。とはいえ、実は他にもいろいろ面白い事が分かってきまして、続きは後日。この新学術が続いているうちにまた論文にまとめられればよいのですが。。。」

話を簡単にまとめますと、
↓新規ncRNAであるGomafuの相互作用タンパク質を取りたかった。
↓Gomafuの相互作用因子がとれたらアシベだね、とRNA学会の飲み会でK山氏の提案。
↓アシベをKDしたらGomafuの局在や発現量が変わるかも!
 2006年RNA若手の会の帰りのバスでK村宏さんからのアドバイス。
 (覚えておられないんだろうなあ、、、)
↓アシベ探しのためのカスタムsiRNAライブラリ発注。
 (僕とS根で発現量の多いRNA結合タンパク質を選び、siRNAを買えるだけ買った)
↓GomafuばっかりやっとったらあかんのちゃうというO野さんのアドバイス!
 (さきがけの領域会議かなんかのこれも帰りのバスだったような、、、)
↓アシベライブラリーをXist染色体局在化因子スクリーニングに転用することを決意。
 (はい。目的外使用です。文科省さんゴメンナサイ。)
↓Candidate molecule approach、筒井さんと筒井さんのアドバイスもあって
 hnRNP Uノックダウンで一発ツモ。
 (百年分の運とツキをここで使い果たす。)
↓で、このライブラリーはアシベライブラリーなんですけど、ということでHGWさん怒濤
 のスクリーニング(KD > RNA回収 > qPCR)。
↓ん!!Tnrc4/Celf3をノックダウンするとGomafuの量がめちゃくちゃ減る!!

2010年の3月のプログレスレポートの、qPCRの結果を確認したノザンブロット。きれいですね。



それまで、Gomafu相互作用因子としてスプライシング因子であるブランチ部位結合タンパク質SF1は同定されていたものの、アシベと名付けるのはさすがにはばかられていましたが、Tnrc4とかCelf3とかだったら、あんまり人口に膾炙しているわけではないし、Ashibe1とか名前つけちゃっても良いかも、、、などという不遜な考えに神の鉄槌が下ったのでしょうか。この発見はこの後、迷走に迷走を重ねる事になりました。

中川

ーー
そう。RNA若手の会の帰りのバスで、何か良いことが起きるかも。今年は南紀白浜です。
http://www.phar.kindai.ac.jp/genome/RNAFrontierMeeting/


August 18, 2014

Rでいこう!!〜その3

前回は棒グラフと箱ヒゲ図、beeswarm plotを書くための簡単な例を出しましたが、今回は折れ線グラフです。繰り返しになりますが、Rは作図の命令をいちいちコマンドで書かなければいけないので直感的でなく、従ってハードルが高くなってしまうのですが、命令文さえ一度作ってしまえば、コピペ一発で図が出来るので、むしろ簡単!毎回同じ図を作るのには最適です。

またここでエア実験。ノックアウトマウスと野生型マウスの産仔数の増加数のデータのファイルを用意します。
weeks WT KO
1 0 0
2 0 0
3 50 6
4 52 6
5 53 10
6 67 10
7 88 10
8 88 15
9 104 15
10 104 23
11 110 30
12 131 34
13 131 35
14 131 34
これをCummulative_pups.csvという名前で保存しておきます。あとは命令文一発。
紫のファイル名と項目名を変更すればどんな時にも使えます。

data<-read.csv("Cummulative_pups.csv")
postscript("Cummulative_pups.eps", horizontal = FALSE, onefile = FALSE,paper = "special", height = 4, width = 4)
plot(data$WT,xlab="",ylab="",type="s",lwd="2",col="blue")
points(data$KO,type="s",lwd="2",col="magenta")
dev.off()


いやあ。実に簡単ですね。また、普通の折れ線グラフはともかく、こういう階段状のグラフをエクセルで書くのはとても大変です。縦軸の数値がちょっとぎこちないですが、この場合ならplotのコマンドのところにyaxp=c(0,120,3)と入れてやればすぐに直ります。普通の折れ線グラフにしたければ、上の命令文をコピペして、lty="l"にすれば良いだけ。p, l, b, c, o, h, s,など色々入れて遊べます。たとえばlty="l"ならこんな感じ。紫のところが変更点です。

data<-read.csv("Cummulative_pups.csv")
postscript("Cummulative_pups.eps", horizontal = FALSE, onefile = FALSE,paper = "special", height = 4, width = 4)
plot(data$WT,xlab="",ylab="",type="l",lwd="2",col="blue",yaxp=c(0,120,3))
points(data$KO,type="l",lwd="2",col="magenta")
dev.off()

細かい説明ですが、
折れ線グラフを書くための基本コマンドは
data<-read.csv("読み込むファイル名.csv")
postscript("出力ファイル名.eps",horizontal=FALSE,onefile=FALSE,paper="special",height=縦のサイズ,width=横のサイズ)
plot(data$最初の項目名,xlab="横軸ラベル",ylab="縦軸ラベル",type="折れ線グラフの種類",lty="線の種類",lwd="線の太さ",col="線の色")
points(data$次の項目名,type="折れ線グラフの種類",lty="線の種類",lwd="線の太さ"col="線の色")
points(data$その次の項目名,type="折れ線グラフの種類",lty="線の種類",lwd="線の太さ"col="線の色")
....
dev.off()

ここで、
軸のラベルはイラストレータ等で後から入れた方が何かと便利なので""にしてしまいます。
折れ線グラフの種類は、階段状にしたければs。普通の折れ線グラフならlとかb。
線の種類はデフォルトが1で実線。2,3,..,6で様々な点線も指定できます。
線の色はblack, blue, red, green, yellow, magentaなどが使えます。
項目が複数あればpointsの行を増やしていくだけ。

パラメータ、点線は何だったっけ?というときは、Rのヘルプ窓がコンソールのウィンドウの右上にありますから、そこでヘルプミーしたら懇切丁寧に教えてくれます。また、便利な事にいろいろなウェブサイトでRのコマンドやパラメータの詳しい解説があります。以下、ほんの一例。

Rの初歩(ググると大抵一番上にヒットするサイト。分かりやすい)
 http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/stat/first.html
バイオインフォマティックス入門(Rに限らずこれは便利!)
 http://bio-info.biz/tips.html#tr
統計解析フリーソフトRの備忘録
 http://cse.naro.affrc.go.jp/takezawa/r-tips/r.html

 このあたり時代は変わりましたね。かつては大学院生の先輩や研究室のスタッフはこういったマメ知識の蓄積で若い人からのささやかな尊敬を勝ち得ていたものですが、ちかごろはiPhoneにすっかりお株を奪われた感もあります。でも、先輩も、スタッフも、寂しいのです。若い学生さんはひとつ大人の対応をということで、ウェブに聞けば2秒で済む事も、研究室の先輩やスタッフに積極的に聞いてあげましょう!

 あと、ここではエア実験でデータを揃えましたが、当然本番で使うデータはqPCRマシンからのデータなり、画像解析から出てきたデータなり、ノートに記された記録なり、ということになります。もともとサイエンスの世界ではエア実験はしないという紳士協定がありましたが、昨今では悲しい事にこのルールを破っているとしか思えない例も少なからず見られるようです。Rの作図に用いたcsvファイルだけでは、「本当に実験やったの?」と、いわれの無い疑いをかけられた時に強く反論できません。でも、大丈夫。そういう時は、csvの作成に使った生データ、元データを出せば何の問題もありません。こういうデータは特定のフォルダに整理してまとめておき、必要に応じて公開する義務を負うのがこれからの標準ルールになっていくのかもしれません。

中川

(この項おしまい。近いうちに、ncRNA+BlogはncRNAネオタクソノミ公式ニュースレターページとして生まれ変わる予定です)


July 26, 2014

Rで行こう!!〜その2

ものすごく高度な使い方が出来るらしいRを僕のような素人が使うのはちょっとハードルは高かったのですが、図を書くのは実はエクセルよりもずっと簡単!

Rを使うのにはアプリケーションをインストールしなくてはいけません。一番手軽で親しみやすいのは、エクセルやワードと同じように、単体のアプリケーションをインストールする事で、東大の農学研究科の門田さんのホームページに詳しいです。
http://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/r_seq.html#install
マック板のインストールはこちらのpdfのほうが詳しいです。
http://www.iu.a.u-tokyo.ac.jp/~kadota/R_install_mac.pdf
ちなみに、このホームページはすごい充実ぶり。今度授業にモグリにいこうかな、、、

さて、ここでエア実験。次のようなウエスタンの定量の結果がでてきたとしましょう。
WTのタンパク質量:5.3, 2.9, 3.4, 5.2, 4.6
KOのタンパク質量:9.2, 7.4, 3.5, 6.9, 8.2

エクセルなどの表計算ソフトで
WT KO
5.3 9.2
2.9 7.4
3.4 3.5
5.2 6.9
4.6 8.2
こんなファイルを作って、適当な名前を付けて.csv形式で保存します(ここでは"exp_1.csv"にします。)。ちなみに、R関連のデータは全て一つのフォルダにまとめておくと便利です。僕自身はDropboxの下にRのフォルダを作って、その下にプロジェクトごとのフォルダを作り、全てのcsvファイルはそこに放り込んでいます。ファイル名にはスペースだとかハイフンだとか使わずにアンダーバー"_"を使うと、なんかちょっとだけ大人になったような気がしますね。文系の彼女からささやかな尊敬のまなざしをむけてもらえるかも(妄想と偏見はいってます…)。かつてこのキーを探すのに四苦八苦した思いがありますが、右下のシフトキーの隣です。

次に、Rを立ち上げて、作業ディレクトリを指定します。Macだったらcommand+Dでフォルダ指定のウィンドウが出てきます。もしくは、メニューの「その他」から「作業ディレクトリの変更…」を選びます。csvファイルを放り込んでいるフォルダを選べばオーケー。

箱ヒゲ図やbeeswarm図を書こうと思ったら、ちょっとおまじない。メニューの「パッケージとデータ」から「パッケージマネージャ」を選んで、beeswarmにチェックを入れておきます。

で、やる事は簡単。Rコンソール画面で次の文字を打ち込むだけ。このままコピペでコンソール画面に貼付けてリターンを押しても構いません。

data<-read.csv("exp_1.csv")
boxplot (data)

おおっ!!という間もなく、Quartz 2[*]というウインドウに箱ヒゲ図が現れます。ウィンドウの大きさをいじれば大きさもかえられますし、pdf形式で保存もできます。

こんな簡単で良いのだろうか、、、というのが第一印象でした。この図、エクセルで書こうと思ったらものすごく手間がかかる、というか、書けませんよね?

ただ、縦軸がゼロ起点でないのが気に入らないとか、boxplotに重ねてbeeswarm(全てのデータをプロットしたもの)を重ねたいとか、全てのグラフで決まった形式で同じ大きさで出力したいとか、いろいろ要望があると思います。僕自身は、この手のデータは全て次の命令文で出力する事に決めています。

postscript("出力したいファイル名.eps", horizontal = FALSE, onefile = FALSE,paper = "special", height = 4, width = 3);
data<-read.csv("拡張子csv付き読み込みたいファイル名.eps")
beeswarm (data, pch=16,col="blue", ylim=c(0,max(data, na.rm=T)))
boxplot (data, add=TRUE, ylim=c(0,max(data)))
dev.off()

こうすると、もとのcsvファイルを置いていたフォルダに、出力したいファイル名.epsというファイルが生成されるので、それをイラストレータやパワーポイント等に貼付ければ、図のいっちょ上がりです。

Rで便利なのは、この手の命令文をためておける点で、いったん気に入ったフォーマットで図がかければ、あとはそれをコピペで使えます。つまり、csv形式でどんどんいろいろなデータを保存していって、図にする時は同じ命令文で読み込みファイル名を変更するだけで、簡単に同じ図が作れます。eps形式のファイルはイラストレータにドラッグ&ドロップで貼付ける事が出来ますが、これはリンクで貼付けられているために、epsファイルの方が更新されれば自動的にイラストレータの図のほうも更新されるのもとっても便利です。たとえば、実験の例数が増えた時も、元のcsvファイルを書き換えて、以前図を作った時のRの命令文をもう一回Rコンソール画面に貼付けてリターンキーを押すだけ。全く同じフォーマットでイラストレータの図の更新が出来ます。

ちなみに棒グラフはもうちょっと面倒くさくて、
postscript("出力したいファイル名.eps", horizontal = FALSE, onefile = FALSE,paper = "special", height = 4, width = 3);
data<-read.csv("拡張子csv付き読み込みたいファイル名")
average<-apply(data, 2, mean, na.rm = T)
stdev<-apply(data, 2, sd, na.rm = T)
bar<-barplot(average, ylim=c(0,max(average+stdev)))
arrows(bar, average-stdev, bar, average+stdev, angle = 90, length = 0.1)
arrows(bar, average+stdev, bar, average-stdev, angle = 90, length = 0.1)
dev.off()


あー面倒くさ…という感じですが、いちおうこれでエクセル風の図を書こうと思えば、書く事は出来るようです。ただ、棒グラフにしてしまうと、いろいろな情報が消えてしまっている事が分かると思います。そもそも、nがいくつか、図からは分かりません。
(追記:また、エクセルだとエラーバーをつけるのにいちいち標準偏差を計算したセルを作って、グラフでエラーバーの追加を選んで、標準偏差のセルを指定して、と面倒くさいですね。Rなら、よみこむファイル名を変えてコピペ一発でオーケー)

最近特に思うのは、ここでやったようなエア実験ではなく、特に動物実験のような精神的に重めの実験の場合、一つ一つの実験データへの愛着を表現できるboxplot-beeswarmの方がしっくり来るなあ、ということです。例えば、このエア実験でも、KOのくせに一匹だけWTとかわらないけしからん奴がいますが、それが棒グラフでは分かりません。じっさいそういうことは往々にして起きるのですね。こそっと無かった事にしたくなったりもしますが、苦労した実験ほど一つ一つのデータに愛着が出てきますし、そのデータのすべてを論文で表現したい。そういう要望にRは簡単に答えてくれます。

あと、Rでグラフを書く、というのは、コマンドを入力して命令を実行するという点で、NGSデータのなんちゃって解析に通じるものがあるような気がします。これからはマッピングから普通の発現量解析ぐらいまでなら実験屋も普通にやらなければいけない時代だと思いますし、NGS解析へのハードルを低くするためにも、学生さんは特に、早いうちからエクセルでなくRで作図をする習慣を付けてみられてはいかがでしょうか!とりあえずデータ(WTとKOの2条件でなくても構いません)のcsvファイルを作って、上のRのコマンドをコピペで貼付けて実行してみて下さい。その有用性がすぐ分かると思います。

中川

July 12, 2014

Rで行こう!!〜その1

新学術「ノンコーディングRNAネオタクソノミ」領域は発足したものの、班員の間での情報共有、情報発信のやり方はまだ決まっていません。ですので、こちらのほうで、しばらく覚え書きを続けさせていただきます。まずは、「Rで行こう!!〜その1」ということで。

そもそも何故唐突にRかということなのですが、現在Journal of Cell Biologyなどで推奨されている図でエクセルのグラフ機能に無い図をかなり簡単に作れるから、という事に尽きます。ちなみに僕自身は統計についての知識はサッパリですし、Rも、使いこなしている人がイチローなら、少年野球の補欠ぐらいのレベルです。そもそもエクセルで作った図ですら、自分の論文にのせたのは学生の頃は皆無。ポスドクで留学した時の論文がはじめて。しかも、「写真見たら分かるじゃないですか。統計データ集める意味わかりません。」とか言って当時の上司を困らせていた、穴が入ったら入りたい、忸怩たる思いの思い出があります。今から思えば冷や汗ものなのですが、おぬしやる気あるんかと怒鳴り散らさず、心優しいChristineは天使の笑顔で、「もし私があなたのサンプルから統計データを取れと言われればもちろん喜んでやらせていただくわ」。それから数日、黙々と顕微鏡をのぞいて僕のノートにP=0.0000001となるであろう数値を書き込むChristineの背中を見ながら、何を思ったか。。。北風と太陽ではありませんが、今も昔も反省のきっかけになるのは、太陽な方々の背中であると、つくづく思う次第です。反省、反省、反省、、、

反省ばかりしていては前に進めませんので、話をググっとグラフに戻しますと、我々実験系の生物学で一番良くあるパターンのグラフは、コントロールと実験区。平均値と標準偏差。この黄金パターンです。ノックアウトマウスの解析であれば、WTとKO。生化学的な解析であれば、なんたら蛋白あり、なし。生物学的な実験であれば、大体n=2か3でそのようなデータを出してきて、定量した値をグラフで表して、ね、だからこの写真やウエスタンのフィルムの言う通りでしょ、許してね、というパターンがほとんどなのではないでしょうか。

おなじみエクセルで作る典型的な図はこんな感じ。

でも、それで良いのかな?Rならこんな図が簡単に書けます。

というところから始めていきたいと思います。ほんとに単なる恥さらしな覚え書きですが、特にこれからこういう図をやまほど作っていく事になる学生さんには役に立つかなと思いまして。。。

中川

June 28, 2014

さよならは別れの言葉でなくて

そうなのです。再び会うまでの遠い約束なのです。

というわけで、ノンコーディングRNA関連研究の新しい新学術領域が立ち上がりました!

その名も「ノンコーディングRNAネオタクソノミ」

このジンクピリチオン臭満々の領域名。領域名を考える時に、実体が伴っているのだから名前負けしてはいけない!と意気込み過ぎて、領域代表廣瀬さんのオリジナルの「タクソノミ」に、よからぬ連中の遊び心で「ネオ」が付加されてちょっと浮いてしまっている感はありますが、よろしくお願いします。非コードRNAの継続領域という位置づけではありませんが、バトンをしっかりと受け止めて、さらに加速していきたい。ボルトの後半のように加速していきたい。いや、前半からロケットスタートをしたい。ただしドーピングは厳禁!!

80年代なのか現代なのか微妙にネタがブラックにかぶっておりますが、このノンコーディングRNAネオタクソノミという概念、今後、ノンコーディングRNA研究において非常に重要な概念になると思っています。ネオタクソノミ?なんじゃそれ?という方も多いと思われますが、夢のコラボ、ネオタクソノミ領域代表の北大の廣瀬さん、おなじみ泊さん、三嶋さんによる総説をご覧下さい。

ジンクピリチオンの効能書きですが、手短かに言えば、タンパク質の研究をするときに日常的に行っているアミノ酸配列から予測される機能ドメインに基づいた機能解析を、ノンコーディングRNA研究に応用しようという、シンプルな発想です。アミノ酸配列を見る限り機能未知のタンパク質であれば手が出せませんが、たとえばそこにSHドメインがあったりカドヘリンリピートがあったりホメオボックスがあったりすれば、想像をたくましくしていろいろな解析が可能になるわけです。ところが、ノンコーディングRNA研究においては、そういった論理的な想像を巡らせる余地はなく、これはすごいに違いない、というただの「妄想」でしか機能解析をすすめることが出来なかったのが実情です。恋は盲目。Gomafuに首っ丈。しかし、それではしばしば解析が難航してしまいます。そこで、RNAサイレンシングに関わる「小さな」RNAや、XistやNeat1などの機能が良くわかっているRNAのファミリー遺伝子で保存されている特性ーたとえば配列であり、二次構造であり、もしかしたらRNA修飾であったりーそれを「作動エレメント」として同定し、それをもとに、機能を予測しながら効率的に機能解析を進めていこう!!というのが基本コンセプトになります。

作動エレメントにはいろいろな要素があるはずです。繰り返しになりますが配列に二次構造、そして化学修飾。勿論そこに結合するタンパク質も大事な要素です。これまでのアルゴリズムでは予測できなかった二次構造を見つけるアルゴリズムが生まれるかもしれませんし、予測もつかなかった化学修飾が同定されるかもしれません。もちろん、クラシカルなアプローチで新規機能性ノンコーディングRNAが見つかるかもしれませんし、ノンコーディングRNAとおなじ作動エレメントを持つコーディングRNAも見つかるかもしれません。

と、書いていてひとり盛り上がってしまっていますが、これはかなりオタクな盛り上がりで、某学会の懇親会で進撃の巨人(まだ良く知らないのです)についていろいろ聞き回って(だって気になるじゃないですか)誰にも相手されなかったのを思い出してしまいました。。。

ともあれ、非コードRNAの新学術が終わったのは、あくまでも始まりの終わりであって、これから本当のエピソードが始まるに違いない。きっとそうに違いない。いや、そうである。まだまだマイナーな研究分野かもしれませんが、まだまだ、つづきます!!

中川

(つづく)

March 28, 2014

5年間のまとめーこれまでとこれから


長かったようで短かった5年間も終わろうとしています。この領域が立ち上がるか否か、最終ヒアリングに泊さんと影山さんが臨まれたのは、羽生ー郷田の名人戦第7局、フルセットの末に郷田さんが惜しくも破れた2009年6月末の頃のことでした。ちょうどそのときエピジェネティックスに関する内藤シンポジウムが札幌であり、たまたま佐渡さんと一緒だったのですが、「俺たちもうやる事ないもんね。祈るしかないよね。」ということで、まさに祈るような気持ちで、でも懇親会の飲み物はしっかりいただきながら、成り行きを見守っていたのを良く覚えています。

振り返ってみればこの5年間は、特に長鎖ncRNA研究に関して言えば、生まれたての赤ん坊がようやく一人で立ち上がって歩き始めるようになった、というような期間だったような気がします。勿論それまでもXistやroXなどの性染色体の遺伝子量補正を制御する長鎖ncRNAは存在していたわけですが、シークエンサーから次から次へと吐き出される大量の新規ncRNAの一体どれほどが機能しているかはさっぱり見当がつかず、そもそもただのゴミじゃないの?という懐疑的な見方が主流で、あまりにも冷たい周囲の方々の反応に、もうやめてやる、と泣き明かした日も良くありました(ちょっとブラック)。冗談はともあれ、小さなRNAがRNAサイレンシングという現象と対応がつけられ、Agoという生涯のパートナーを見つけていたのに比べれば、長鎖ncRNAの研究はまだまだ手探りだったと言わざるを得ません。

領域の立ち上がった2009年と言えば、ちょうど核内構造体パラスペックルが巨大な長鎖ncRNAであるNeat1が骨格となって作られているというマイルストーン的な発見が、現北大の廣瀬さんのラボを皮切りに世界の4つのラボからほぼ同時に報告された年でした。その後おなじく廣瀬さんの所からパラスペックル構成蛋白質の網羅的な同定、それらのいくつかはNeat1のアイソフォーム制御を通じてパラスペックル形成を制御しているという仕事が出たのは記憶に新しいところです。長鎖ncRNA単独で話をする時代から、ともに働くタンパク質を考慮する研究へ。XistやHOTAIRのようにエピジェネティックな発現制御に関わる長鎖ncRNAを研究している研究者の多くはセレンディピティに導かれクロマチン制御因子との関連に注目した研究を一斉に行い、直接か間接かはともかくそれらを染色体上に連れてくる際にncRNAが機能しているというコンセプトが業界では一気に出来上がってきました。

手前の話で言いますと、「Gomafuの結合タンパク質を見つけたらアシベと名付ければ」、という影山さんの素晴らしいアドバイスを実現すべく、今で言うところのCHARTやCHIRPの技術開発を試みていたのですが、なかなかうまくいかず、アプローチを変えて同定されてきたのが既に確固たる地位を固めていたブランチ部位結合タンパク質であるSF1。。。さすがにそれを強引にアシベと呼ぶわけにもいかず、真打ちを捜そうと、一発逆転を期して購入したRNA結合タンパク質に対するsiRNAカスタムライブラリー。運良くそこにアシベが含まれていれば、それをたたいたときにGomafuの局在が変わるだろうということで実験系を立ち上げるも、なかなか進まず。一方、「君、Gomafuばっかやっとったらあかんのちゃう?」という大野さんの一言で背中を押されてそのライブラリーをXistの染色体局在化因子探索に使う事にし、それがhnRNP Uであることが一発ツモでわかってしまったという、まるで一生の運を全てここで使い果たしまったかのような幸運な出来事もありました。

これも手前味噌で失礼しますが、影山班の分担であった僕の課題、核内構造体を形成する長鎖ncRNAのノックアウトマウスの解析は、進んだような進まないような。Gomafu、Neat1、Malat1全てviable & fertile。後者については表現型ありませんでした!キリッ!という開き直り論文を一応世に送り出す事が出来、皮肉にも表現型がないという事が却って驚きを持って迎えられたようですが、Gomafuちゃんは間に合いませんでした。。一応行動異常が見られるので、そのメカニズム解析に突っ走ったのですが、なかなか難しく、どうしたものやら。ちなみに学会等では話をしていますがNeat1は奇麗な表現型が見えてきて、こちらももうすぐ世に送り出す事が出来る、、、はず。です。先日、投稿翌日にエディターから突き返されてしまいましたが、、、

さて、この領域が終わって、長鎖ncRNA研究はどこに行くのでしょう?

この5年間で技術的に一番改良が進んだのは次世代シークエンサーであったのは間違いないでしょう。資金力のある特殊な方々が使うちょっとマニアックな武器だったのが、PCRとは言わないまでも、qPCRなみに普及してきた感があります。数年がかりの国家プロジェクトでなくてはできなかったような解析が、機械を借りられさえすれば一つのラボの規模で出来てしまう、というのは驚愕です。今後を占うに、やはりこのツールをどれだけうまく使っていくかというのがキーポイントであると思います。このところ長鎖ncRNAの研究を牽引してきたHoward ChangとJohn Rinn。先日のキーストンミーティングでも、やはりこの二人の発表は飛び抜けて面白く、Howardは3C/4C/Hi-C解析のような事をRNAで展開し、特定のncRNAの領域が、同一分子のどの場所と相互作用しているのかを調べる事で、ncRNAのドメイン構造を決めようという意欲的な試みをしていました。もうすぐ論文として出てくる事でしょう。Johnはといえば、single cellをMondrianが使っているようなデジタル・マイクロフルイディクス(フリューダイム c1?)に突っ込んで、single cellでのトランスクリプトーム解析をバシバシすすめる試みを紹介していました(二階堂さんが早速論文出てるよとインプット&情報くれました)。
http://www.nature.com/nbt/journal/vaop/ncurrent/abs/nbt.2859.html
かれらの新技術との付き合い方を見ていると、うまいなあ、の一言です。後追いするばかりではいけませんが、それらを参考にしながら新しい使い方を模索していかなくてはいけません。

この5年間で長鎖に関わらずncRNAの研究分野でももっとも変化があったのは、新規のncRNAを見つける、という時代が終わって、ncRNAを、相互作用するタンパク質の複合体と共に機能解析をすすめていくというスタイルが出来上がってきたことでしょう。その中で浮かび上がってきたのは、ncRNAにもタンパク質同様機能ドメインが存在し、それらがタンパク質と複合体を作りながらモジュールとして働いている、ということで、これは今後非常に重要な概念になると思います。泊さんと廣瀬さんがそのあたりのコンセプトをまとめた総説をEMBO Reportに書かれていて、そのラインの研究を進めていく事で、一つの大きな流れを作り出す事が出来るかもしれません。というか作り出したいところです。

あと、技術進歩ということでいうと、ビジュアル大好きな僕が個人的に注目しているのが超解像顕微鏡です。光学限界なんのその。電顕とまではいかないまでも、一歩踏み込んだ解析が可能になりつつあります。超解像度顕微鏡を用いれば、Neat1の5’末端と3’末端がパラスペックルの表面にパッチ状に並んでいる事がこんなに奇麗に分かります。従来の顕微鏡では、これは同じ所に共局在していますね、ということしか言えませんでしたから、大きな技術進歩です。ちなみにこの画像を取ったのは3D-SIMという方式で、世の中にはもっと解像度が理論上高いPALMという方式も存在します。しかも、PALMで3D情報まで取れるという全く新しい顕微鏡が開発されているらしい、、、ということで、来月ドイツに行って見学してきます。衝撃の画像が取れたらまた紹介いたします。このような技術を駆使して、ncRNAの神秘に少しでも迫れれば。


というわけで、この5年間、下らん事ばかりかいてきましたが、色々ありがとうございました。この領域で得られた有形無形の財産を糧に、ncRNA研究分野とともに少しずつ成長していきたいところです。

中川

(おしまい)

March 5, 2014

Keystone Meeting @ Santa Fe 4日目


長かったようで短かったキーストンミーティングもついに最終日。こういう長期間のミーティングになると、顔見知りも増え、やあいっしょに仕事をしようかという仲間も増え、学生さんであれば変化球でちょっと甘酸っぱい思い出ができたりなんかしちゃったりするのかもしれませんが、合宿を乗り越えた一体感、みたいなものが生まれるのは、キーストンであったり、ゴードンであったり、海外長期小規模ミーティングの醍醐味であると思います。このあたりはRNA学会も、似た雰囲気があるのかもしれません。

最終日はこれといった話はなかったのですが(とかいうと怒られそうですが)、大規模解析、新技術、そういった話が中心でありました。琴線に触れない理由は明確で、もう全くぜんぜんかなわないな、という感が強いのです。次世代シークエンサー使いまくりの話はさすがに免疫が出来て驚かなくなってきたのですが、John RinnさんのところではlncRNAのノックアウトマウスを18個作って、そのうちの6つぐらいだったかで表現型がみられてたとか。
http://elife.elifesciences.org/content/2/e01749

こういう土俵で勝負をしても、なかなかかなわない。負けてたまるかと奮起するべきなのかもしれませんが、よくよく考えてみればどういう現象に興味を持つかというところが一番重要という考え方もあるわけで、とりあえずは目の前にいるかわいいマウス達が教えてくれているいくつかの表現型について、それが派手なものであろうと、そうでなかろうと、好きなのであればじっくり腰を据えて解析をするというのが正しい姿勢のような気がしています。

と、こんなことを出発の日の朝につらつらと書いていたらシャトルに乗り遅れそうになってしまいました。慌てて荷造りしてフー、間にあったと思ったら、空港に着いてからパスポートをホテルに忘れたことに気づきました!!なにやってんだか。。フライトまで2時間。ホテルまでの往復は2時間。うー、、、現在サンタフェに向かっているタクシーの中です。このブログで研究紹介を書いていると飛行機に乗り遅れるというジンクスができるかも。なんてのんきなこといってる場合ではないですねえ。。まあ、僕が焦っても早くつくわけではないですから。運ちゃん頑張れ!!80M/Hで疾走中!!

ホテルに到着!!イエーイ I get it!!不安のどん底から帰還したこの安心感。たまりませんね。クセになりそう(何が、、、)。偶然ですがちょうどフロントでは神戸のCDB RNA meetingにも来られていたRamesh PILLAIさんがチェックアウトするところで、一緒にパスポートの帰還を祝ってくれました。現在アルバカーキに向かうタクシーの中です。

で、どうなったかですが、フライトは逃したものの、なんとか今日中にサンフランシスコに到着できることになりました。次のフライトまで5時間も空いてしまいましたが、明日はHoward Changのところでセミナーをするので、たっぷり準備出来るというものです(やせ我慢)。

そして今気づいたこの事実。iPod touchをどこかになくした。。。大ショック。

教訓:出張中にncRNA Blog+を更新しようとしてはいけない。


March 3, 2014

Keystone Meeting @ Santa Fe 3日目


午前中は、出口の話。国内のRNA学会ではなかなか聞けないたぐいの医療応用の話ですが、基礎研究の行く先には必ず出口があるわけで、出口があるからこそ基礎研究でもお金がもらえる。ベンチャー作ったけどつぶれちゃってねえ、みたいな笑い話もありましたが、こういうセッションを入れるのはスポンサーの要望もあるのでしょうか。内容は、、、僕に言わせるんですか、それを、という感じでしたが、講演者の交代があって、なぜかJeannie Leeさんが出てきて(LNAを使うとXistが染色体からはがれる、というような所から始まって、このオリゴを使うRaNA(ラナ)というベンチャーがあるらしい)、「突然話をしてねって言われても。困ったわね。私、この手の話うまくできるかしら。全然準備してない学生の発表だと思って聞いてね。」とかなんとかいいつつ、まったくよどみのない講演。質疑応答はもはや恒例となったマングースDannyさんとのやり取り。うん。マンネリは大事です。水戸黄門の印籠みたいなものですね。吉本でいえばパチパチパンチみたいなものでしょうか。きたきたきた、これがないと落ち着かないでしょう。みたいな感じでしょうか。

と、サイエンスと全然関係のない話をしてもしょうがないので、今日のベストプレゼン。いつものことですがHoward Changさんでした。CHIRPを駆使して、ncRNAがモジュールとして機能していることを見事に示していました。なぜショウジョウバエで性染色体のdosage compensationに関わるroX1とroX2が配列が全然違うのに同じ機能を持つのか。どうやってそれらが性染色体を「ペイント」していくのか。長年の謎がすーっと解けていくようなトークはまさに別物でした。うーむ。何が違うのでしょう。とりあえずキーストンが終わったら彼のところに行って色々教えてもらってきます。この領域にも何かフィードバックが出来れば良いのですが、、、

ちなみにHowardさん、今度の分生(11月、だいぶ先ですが)来日されます。塩見の美喜子さん主催のシンポです。

休憩時間は、長年のファンであったAnton Wutzさんとついにお話をすることが出来ました。髭もじゃらで、ダーウィンかっっ、と突っ込みを入れたくなるような容貌をされていましたが、Xist愛!という感じがひしひしと伝わってきて感動です。ちなみに、ものすごくローカルな話ですが、Xistの染色体局在を制御しているhnRNP U/SAF-Aというタンパク質は、抗体染色してもXiが強く染まるわけではありません。ところが、蛍光タンパク質との-fusionを作ると、Xiが特に強くそまるようになります。というか、染まるという論文があります。しかしながら、これが自前でやっても再現できない。何でなんですか?と質問したら、「リンカーとかなんとかのちがいと、おもうだろ、ん?それがちがうんだこれが。わかる?ん?クロンテックだったかな、なんかあるだろ、あのEGFPをつかっちゃだめなんだよ。うん。ストラタかなんかの、その蛍光蛋白使えばばっちりだぜ。本体のタンパク質じゃなくて、蛍光タンパク質の違いだなんて、全く思いもよらないよな。何でかって?わからんねえ、知らないねえ。いやわからんなあ。」と、しゃべるしゃべる。とっても親切に教えてくださいました。うーん。あの数々の素晴らしい論文はこの人が書いていたのか、、、イメージが壊れる瞬間。(なぜだか理由は分かりませんが)スラリとしていて寡黙で切れ者、ルパンの石川五右衛門のような人を想像していたので。とはいえ、良い方に壊れたといいますか、もっと秀才肌の方だと思って近づきがたく思っていたのですが、これからもっと色々気さくに聞けるような気がしました。

イメージが壊れると言えば、とんでもない勘違いをしておりまして。実は今回、共同研究でノックアウトマウスを送った研究者と初めて対面したのですが、完全に同姓同名の別の人と勘違いをしていて、男性だと思っていたら女性でした。うーむ。Google先生を信用しすぎると、とんでもないことになります。はい。こんなことで良いのだろうか。。。いけません。やっぱり、顔を合わせてのコミュニケーションは大事だなという当たり前のことを強く認識しました。

中川

March 2, 2014

Keystone Meeting @ Santa Fe 2日目

覚悟はしていましたがひどい時差ぼけで結局この二日ほとんど寝れていないのでもう真夜中のラブレターどころではないnatural high状態になってますが今日もexcitingな話が続いています。


今日のテーマで特に眼を引いたのが、発生に関わるlncRNAの解析。肢芽の発生であるとか、神経系の発生であるとか、あるいは細胞分化であるとか、昔取った杵柄ではありませんが妙にしっくり、ストンと頭の中に入ってくる話が連発。いやあ、なんといいますか、正直に言うとjealousyを感じまくり、ですね。アプローチとしてはそんなに変わらないのに、なぜこちらはこんなにno phenotypeで苦しんでるのにそっちはうまく行くんじゃーっ!しかし、やはり細かい工夫というのは皆さんされているのは事実で、機能アッセイをどれだけうまく組み合わせるか、また、どのよう現象に注目するのか、やはりそこが要であるのは間違いありません。jealousyを感じているといっても何せこちらは真夜中のラブレター状態の精神状態です。落ち込むというよりは、燃料満タンで片道切符で死ぬ気で突っ込んでいけばなんか僕でもまだまだ面白そうなncRNAにたどり着けるような気がしてきました。大事なのは根拠のない自信に違いない。根拠のない自信にあふれかえった人たちに囲まれていると、その気になってきます。K岡君も日本に帰ってくるらしいし、わが愛しのGomafuだって。。。
また、2年前のキーストンでもRNAから複合体を精製してくる技術がどんどん浸透していて近藤の彩さんが感激されていたのは記憶に新しいところでありますが、今回は精製法もバリエーションも増え、 RAP派、CHART派、CHIRP派が激突!とまではいきませんが、いろいろな人がそれぞれの手法についてやいのかいの言っていて中々面白かったです。僕はどちらかというと関わっている人々の人柄もあってCHART派なのですが、なんかソニーだからβを応援しているような気もしてきました。うん。次にやるときはVHSのRAPも試してみよう。(若い人は分からないか、、、)中々自分では技術開発をする時間はないのですが、猫の手があれば、色々試してみたいところです。ただ、どの手法も、DNAやRNAは解析できても、まだタンパク質の同定、という所まで入っていないような印象です。

論文でしか知らない人の人柄に触れることが出来るというのがこの手のコンサイスなミーティングの楽しいところでありますが、rRNAクラスタから出てくるRNAがRNA-DNA三重鎖を作るという論文が記憶に新しいIngrid Grummtさん。たまたま日本でもすっかりおなじみになったAndre Verdelさんと夕食を食べていたのですが、そろそろポスターに行こうかなという時間での会話。
Andre「ワインおかわりする?」
Ingrid「うーん。さっき中国人のポスドクが来てポスター見に来て、って言ってたのよ。どうしようかしら。」
Andre「どうしよう、ってなにが?」
Ingrid「ポスターのところにワイングラスを持っていって話を聞いたらたら失礼じゃない?」
Andre「そんなの気にしないでしょう。二つ持っていったら?」
Ingrid「いやだって失礼かもしれないじゃない。ボトルにしようかしら。」
Andre「ハぁ?ボトル」
Ingrid「いやだって私、ドイツ人じゃない。ドイツだったらビールを飲むと思っているんじゃない?」
Andre「あ、ビールのボトルのことか。うん、それならビール持っていったら?」
Ingrid「でも私ビール飲まないのよね。」


うーん。何を話しているんだかサッパリ分かりませんが、なんてチャーミングなおばちゃん(ん?失言)なのでしょう。先日Tokyo RNA Clubに来られた西倉さんのお話を聞いてきたときもこういうすてきな大人になりたいものだとつくづく思いましたが、こうなんというか、ちょっとお茶目のところがある人は素敵ですね。目指してなれるものではありませんが。

まだまだ色々面白いエピソードはありますが(Edith/DannyとJeannieのヘビとマングースの対決とか、、、)、半分以上作り話なので、今日はこの辺で。そろそろ寝ないと、いい加減頭が壊れますので。。。


中川


March 1, 2014

Keystone Meeting @ Santa Fe 1日目


すっかり春めいてきて花粉が飛び始めそうな日本を離れ、やってきましたKeystone Meeting。しばし花粉の苦しみから逃れられると思っていたら、ここサンタフェでは既に花粉が飛んでました。前回はスキー場で花粉フリーの環境だったのに。。。眼がかゆくて仕方がないので、休み時間もホテルに閉じこもって仕事をするはめになりそうです。

今回も、lncRNA中心のお話。前回同様、200人ぐらいの規模で、いつも通り密度の濃いミーティングになりそうです。論文未発表のデータがばんばん出てくるところがこのミーティングのすごいところで、道義上全てこういう場所で総てをばらしてしまうわけにはいかないのが残念ですが、自分の仕事にも、領域のメンバーの方々の仕事にも、役に立つ情報満載です。PRC2のかなりしっかりとした生化学的な解析もありました。うーむ。(豪州以外の)海外出張は時差ぼけで苦しむし、家を長期間はなれなければいけないのでいまいち乗り気ではないのですが、やはりたまには無理してでも出かけていって、世界の最前線の研究に触れるのは必要なのだなとつくづく思いました。また、前回も思いましたが、海外に出ると、初めて青い地球を見たガガーリンのような気持ちになれるのですね。ここのところSTAP騒動で震災直後のような不安で落ち着かない時間を過ごしていたのですが、しばらくは世間を離れ、研究活動に集中できそうです。幸せ。幸せ。

細かい内容はともかく、印象的だったのがThomas Cechさんの座長。ただ司会をするだけでなく、トークの後に個人的な印象を簡潔に述べたり、聴衆に向かって簡単な解説をしたり。特に面白かったのが、いわゆるpermutationについてのコメント。いつかBartelさんが来日されたときにTokyo RNA Clubで話されたCyranoの仕事をした2nd anthorが独立してその動作原理の研究をしているのですが、そこでpermutationを奇麗に使った仕事の話をされていました。Permutationは、RNAの配列に変異を入れて、もう片方のターゲットのRNA等に相補的な変異を入れれば、機能は保たれるということでRNA業界ではよく使われる「古典的な手法」なわけですが、「若いポスドクの人や学生の皆さん知らないかもしれないけど、こんな古くさい手法でも、RNAとしての機能を知るためにはとても強力な手段ですので、lncRNAの研究にももっともっと使ってみましょうよ」というCechさんのコメントは、まさになるほど、と思いました。おじいさんは古い技術が好きなんです。っと、微妙に失言ですが、温故知新ではありませんが、古典と言われる手法が切り札となることはたくさんあるのだと思います。最先端に触れるのも大事ですが、研究の歴史を知っている人の言葉を聞けることも、この手のミーティングの醍醐味ですね。

前回はJohn Mattick, Jeannie Lee, Kevin Morrisといった、ちょっと山師、おっと大失言、新感覚のRNA研究者がオーガナイザーだったこともあり、カジュアルなお祭りみたいな雰囲気がありましたが、今回はThomas CechやPhil Sharpといった重厚なRNA研究者がでーんと最前列に座っているので、ちょっと雰囲気が違います。これから3日間、随時報告をしていこうと思いますが、そういえば泊さんのところのJuan君もいましたので、彼にも何か書いてもらいましょう。いろいろ感じたところがあったと思いますので。

中川

February 18, 2014

能ある鷹は爪を隠してはたぶんいけない、、、はず

閑古鳥が鳴いているかと思ったら学生の皆様いろいろ領域会議の感想プラスα、いろいろ投稿があったようでありがとうございました。ん、サイトの管理人、、、は健夫さんです。はい。健夫さんに代わりましてお礼を。

唐突かもしれませんが、個人的に思うのですが、領域会議であったり、学会発表であったり、最近であったらブログであったり、メーリングリストもといSNSなりいろいろな形で、「見える」ようにすることはとても大切なことだと思います。秘伝のタレとか、門外不出とか、いろいろありますが、多くの場合、ろくなことはありません。高杉道場で長谷川平蔵が受け取った免許皆伝、秘伝の中身は、ただの白紙。それを盗み取ったかつての高杉道場の四天王のうちの長沼又兵衛と平蔵との再会やいかに、、、と池波小説の話をしてもしかたがないのですが。。

話をタイトルに戻しますと、今回の領域会議でも、その他のミーティングでも、常々思っているのですが、今の時代、能ある鷹は爪を隠してはいけない、のではないかと思います。何も語らず、圧巻のタイムラプスムービーで会場にいる数百人を黙らせることの出来る人は、いるにはいると思うのですが、それを理想にしてはいけないのではないかと。実は個人的には僕が最も敬愛する先輩研究者の一人にそういう方がおられるのですが、その方はあまりにも仙人すぎて、霞を食べて生きているという噂もあって(ウソです)、ただあまりにもお人柄もあたたかく、正反対の僕はその道でいけるはずはないと思いましたし、それは正しい選択だったと思っています。

また話はそれますが、僕はヘボ将棋しか指せませんが、将棋の世界で痛快なのは、羽生さんが有無を言わさず強いところです。羽生さんは感想戦で惜しみなく自分の読み筋を披露しているにもかかわらず、です。感想戦で出し惜しみをするというのは、我々の世界で言えばディスカッションでいちいち未発表のデーターのことを話さないとか、論文になるまで学会では発表しないとか、隣の研究室でも仕事の話をするなとか、そういうことで、多分そういう人の方が強かった時代もあったのだと思います。でも、今は、誰がなんと言おうと羽生さんが強い。だからこそ、自分の勝敗よりも(もちろんそれが一番大事なのだけれども)、真理の追究の魅力に取り付かれているかのように見える若手騎士がどんどん出てきている(様に見える)と思います。この流れは最近のコンピュータ将棋のヒッタイト顔負けの勃興によって、増々加速されているようにも思えます。コンピュータは読み筋を隠すことはありませんので。隠す人よりも隠さない人が絶対的に「強い」!!

研究の世界は玉が詰むといった分かりやすい勝負はありませんから、教師付き機械学習をすることは出来ません。ですので、成功体験も、失敗体験も、個人的な経験であって、これが良い、悪い、と、一概には言えないのが厄介です。隠す人が「強い」のかもしれませんし、そうでないのかもしれない。ただ、敵を見誤ることだけはしたくないと、思います。繰り返しになりますがラボの外の人と話をするなとか、これは論文になっていないから学会発表するなとか、iPS発表以前の山中さんのラボでなら影響があまりにも大きいのでなんとなくわかりますが、普通のラボがそれを真似するのは傲慢矢のごとし(ちょっとちがうか)です。

ですので、学生さんの皆さん。ポスドクの皆さん。能ある鷹は爪を多分隠してはいけないので、じゃんじゃん爪を見せてください。ディスカッションに参加してください。未発表のデータも話してください。もしボスにおこられたら僕が責任とりま、、、ってどうやって取るか分かりませんが、戦わなければいけない敵は空想上のcompetitorではなく、エネルギー問題とか高齢化問題とか食料問題とか、その辺にしておくのが一番平和なような気がします。例えばの話、特許っていうのは、100年後は今から見た士農工商ぐらい古くさいことなのかもしれませんし。なので、EndNoteが使えなくてもOSX Mavericks、好きです。ソースコード公開の思想ここに至れり。これが絶滅への序曲なのか繁栄への礎なのか分かりませんが、一つの文化だと思いますし、僕は個人的にその文化は大好きです。

中川

February 14, 2014

領域会議に参加した感想

初めまして。
阪大仲野研・宮川グループで研究をおこなっている博士二年生の伊藤大介と申します。
先月の非コード領域会議に参加した感想を、いまさら?と思われそうではありますが、投稿させて頂きます。

私は以前、2回ほどこの領域班会議に参加させていただきました。
そのときから、非コードRNAの裾野は非常に広く、色々な研究分野を持った方が色々な方面からアプローチされていることを実感してきました。

私の研究内容は、マウス生殖細胞におけるpiRNAの産生機構の解明です。
従って、私の主な興味の対象は当然、見ている分子が In vivoにおいてどのような重要性があるのか、ということにあります。

なぜ私がわざわざこのようなことを書くのか。
それは、やはり自分の質問内容が、自分の興味・視点、およびどこまで深く物事を考えているか、ということに大きく依存するという当たり前のことを実感させられたからです。

先述のとおり、この領域班会議には多様なバックグラウンドをもつ研究者、しかも非常に優秀な研究者が多数集まっており、発表後は鋭い質問が会場を飛び交います。
自分の質問と他人の質問を比較することで、他人がどのような興味・視点から物事を考えているのかを理解すること、また、自分が他人の研究をすると仮定したとき、どのように研究を進めるかという意識を常にもつこと、が大切なのではないかと痛感しました。

自分の質問が的確に伝わらなかったとき、質問することを躊躇したとき、他の研究者が目から鱗が落ちるような良い質問をしたときに、とても歯がゆい思いをするのは私だけでしょうか。

つらつらと駄文を書かせていただきましたが、私はまだまだ修行中の身でありますし、これからも優秀な研究者と議論し、少しでもそのような人々に近づけるよう努力していく所存であります。

皆様方、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

伊藤

February 8, 2014

R言語(ggplot2)など

こんにちは、ジョゼフィーヌです。
2つの件を同時に投稿させていただきます。

①『非コードRNA領域』学会に参加した気持ち
②  R言語の"ggplot2"を用いたグラフの書き方について投稿の依頼があったので、ご興味ある方は下記に参考してください

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①『非コードRNA領域』

『非コードRNA領域』と『非コードDNA領域』は、違う集まりだったんですね(笑)!博士過程のごろは、後半のプロジェクトに関わる太田研究室に所属していました。一方で2013年6月からは、ポスドク1年目として前半のポロジェクとに関わる程研究室にいます。そしてこのようなことが起きました。

私  あれ?太田先生はいらっしゃらないのですか?
相手 ここはね、『非コードRNA』なんですよー
私  (ショック)

ということで、何も知らないまま最後の会に突然参加させていただいたのですが、明るく歓迎してくれた皆さんに感謝しています。

4月にならないと予算がわからないというのが、大きな問題だと伺いました。お金の管理を学年と違って1〜12月にすれば、4月までの人材募集などが少しでも楽になりますかね(独り言)

ということでこれからもできれば日本で活動していきたいと思っているので、皆さんよろしくお願いします。

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② R言語のggplot2で複数のプロットを同じPDFにアウトプットする方法(R言語を慣れた人のため)

注意!ここでggplot2自体の使い方は説明しません。

ステップ1
(このリンク)の下にあるmultiplot()という関数のコードをそのままコピペして実行させると、multiplot()がメモリーに保存されます。このステップは、Rコンソールを開いたたびに行う必要があります。毎回ネットからコピペしても大丈夫ですが、multiplot.Rというファイルに保存しておくと便利です。

ステップ2(ggplot2を使ったことがない人のみ)
ggplot2というパケージをインストールします。
install.packages(ggplot2)

ステップ3
ggplot2を呼び出します。
library(ggplot2)

ステップ4(ここで自分のデータを用意すること)
グラフはなんでも使えますが、今回はmultiplot()の使い方を見せるためにggplot2に含まれるdiamondsというデータセットでプロットを作るので、そのデータセットを変数に入れておきます。

ステップ5
グラフをすぐに表示せず、まずはグラフそのものを関数に保存しましょう。それぞれのグラフを、違う関数に入れておきましょう。
p1 <- qplot(carat, price, data = diamonds)
p2 <- qplot(log(carat), log(price), data = diamonds)
p3 <- qplot(carat, x * y * z, data = diamonds)
p4 <- qplot(carat, price, data = diamonds, alpha = I(1/10))
p5 <- qplot(carat, price, data = diamonds, alpha = I(1/100))

ステップ6
multiplot()を使ってみましょう。欄の数は、cols= のところで設定できます。ご覧のように、右の欄から、上→下を順番的に入れられます。プロットの順番を変えたいと思ったら、例えばmultiplot(p1, p5, p2, p4, p3, cols=2)にします。
multiplot(p1, p2, p3, p4, p5, cols=2)

ステップ7
直接PDFへ保存する方法です。ステップ6の代わりに行ってもいいです。pdf()では、ファイル名とPDFのサイズを設定します。そして最後に、dev.off()で終了します。
pdf("test.pdf",width=15,height=10)
multiplot(p1,p2,p3,p4,p5,cols=2)
dev.off()

ファイルは、present working directory(現在いるフォルダー)に保存されます。それはどこかわからなくなったときは、次のコマンドラインで確認できます。
getwd()

今回の例は以下のようになりました。

January 22, 2014

領域会議の思ひ出(長いです!)

みなさま、こんにちは!
東京大学 泊研 M1の大籠(おおこもり)です。
このブログを書かせていただくのは初めてなのですが、先々週に行われた領域会議のお話について書かせていただこうかと思います。

何をいまさら…実験しろ!とのお言葉が飛んできそうですが、今回の領域会議において最も底辺に位置していたであろう修士1年(学部4年生の方もいましたが、まあ僕も修士からRNAの研究を始めたので大して変わりません)が何を思ったか聞きたい人もいるはず!いると思いたい!笑
ですので、つらつらと領域会議の思い出について喋ってみます。

1日目
今回はスタッフとして同行ということで会場準備や打ち合わせのため、12時頃ホテルに到着!
とりあえず、すごい!何がすごいってまず、門をくぐってから建物までが遠い!そして、よくわからないけど内装が豪華!
いやいや感動してる場合じゃない。ということで、準備開始。
実はわたくし、フロンティアミーティングや12月の理研シンポジウムでもスタッフとして働かせていただきました。ですので、特に不安はなし。余裕だぜ!と実は心の中で思ってました(←盛大にフラグを立てています)。
で、あれこれしてるうちに会議の始まり。
タイムキーパーや照明をやりつつ、ふむふむ…と話を聞く。
ふむふむ…そうなんだ!ふむふむ…知らなかった!ふむふむ…すごい!ふむふむ…面白い!(ふむふむって書きすぎてゲシュタルト崩壊を起こしてきました)
ってな感じで、疑うことを知らない純粋な僕は見聞きすること全てに感動していました。

なんて思っていたらあっという間にセッション終了。
部屋に荷物を置いて、待ちに待ったディナーだぜええええ(部屋の豪華さに感動したこともありテンションMAX)!さらに、席はくじ引きで決めるということで、どんな人と一緒かなとわくわくしながら夕食会場へ。
テーブルは7人掛けの円卓。くじを引く。指定されたテーブルを見る。
仲野先生、中川さん、泊さん、藤原さんが座っている。
………。
ものすごいテーブルに来てしまったーーー!!笑
なんてちょっと不安に思っていましたが、いざ夕食会が始まれば先生方のためになる話、ためにはならなそうな話(笑)、面白い話色々聞くことができて、また、仲野先生にも話しかけていただいたりして(面白いことを返せなかったので覚えていらっしゃらないかもですが(汗))若干緊張しつつも楽しい時間を過ごすことができました。料理とお酒は言わずもがなベリーグッド!

2日目
おいしい朝食を食べ、2日目も元気にセッション開始!
すごい!面白い!うーん、難しい。。などなど脳みそフル回転!
2日目のセッションでは僕はセッション4と5でタイムキーパー及び照明係を担当。
もちろん、仕事当番の時も発表はしっかり聞いています。質問タイムのやり取りももちろんしっかり聞いています。
………。。
ごめんなさい、聞き入りすぎて2回くらいベル鳴らすの忘れました(汗)。
気づいたら27分とか…気づいたら28分とか…時間が押したりしたのは僕のせいです。でも実はここに書くまで内緒にしていました。笑
1日目の最初、スタッフ業務は慣れてるから余裕だぜ!と思っていたんですが、、ここでばっちりフラグ回収してしまいました。笑
すみませんでした。。

とまあ懺悔も済んだところで、夕食タイムのお話。
2日目の夕食は立食!好きな食べ物いっぱい食べれる!好きな飲み物いっぱい飲める!気になる人といっぱい話ができる!すごい!素敵!ってなもんで、色んな方とお話することができて、さらには同世代の仲間が増えてとても有意義な時間が過ごせました。
二次会は何といっても締めの泊さん!
泊さんが歌っている!!(驚愕)そしてとってもうまい!!(感動)
個人的には領域会議の場でB'zを歌っていた彼にも驚愕しました。笑

長くなりすぎたので駆け足で3日目
午前のセッションが終了して昼食。同じ席になった先輩方と談笑しながら食事。
ところがみんな会話は進むも箸がなかなか進まない。
料理はもちろんおいしいです…ですが、この3日間のおいしく、規則正しい食事は普段堕落した食生活を送っている僕の胃になかなかのダメージをもたらした模様。。
九大の酒田さんも同じようなことを書かれていますが、僕の堕落した胃袋は清く正しく美しいものがたくさん入ると回復するどころか逆にクラッシュしてしまうようです。そこまで堕ちたか…my 胃袋。
また、胃もたれとは少し話がずれますが、会議が終了して帰宅後、どんべえ(うどん)を食べてとてもおいしく感じたのは恐らく僕が生粋の貧乏舌を持っているからなのでしょう。。
…文章にしてみると悲しくなってきました。笑

そんなこんなで、午後のセッションも終わって領域会議終了ー!

とにかく楽しいことばかりであっという間の3日間でした。思い出Best3を上げるとすれば、
3位 1日目夕食会のテーブルメンバーの豪華さ
→色々な話が聞けて楽しかったです。もっと積極的に喋れたらよかったと後悔。
2位 1日目、2日目夕食後の部屋飲み
→熱い討論があったり先生達がたくさん来たりで盛り上がりました。先輩や先生方の会話の中でこのセリフかっこいいってのがいくつかあったので今度どこかで勝手に使います。笑
1位 泊さんのカラオケ
→やはり堂々の1位はこれしかない!領域会議の思い出としてだけでなく、いつか来る卒業時に泊研のメンバーとして過ごした数年での思い出Best3は?と聞かれたとしても必ずランクインするはず!

そして、少しだけ研究の話(少しかよ!というツッコミは無視します笑)。
僕は泊研に所属して三嶋さんと協力しながらプロジェクトを進めています。
ですので、今回の発表の中でもin vivoの面からアプローチしている話は特に楽しく聞かせていただきました。やはり、フェノタイプとして現れるっていうのが僕は好きだなあと。
一方で、in vitroの話も面白く聞かせていただきましたが、やはり自分でやったことがないあるいは、やり方が分からない、データの見方もあやしい…などなどの点があることは否めません。そういう基礎的な部分をもっと勉強しないと話を理解するだけで精一杯。質問したくてもなかなか出てこない。そんなむず痒い感覚になることがセッション中しばしばありました。
しかし、そんな中でも藤原さんのお話はとても興味深く感じました。
一つ一つタンパク質の働きや相互作用を解き明かしていく感じはパズルを組み立てていくようで物凄く面白い!と感じました。決して極道の道には入りたくありませんが…笑
結局全体を通して思うのはやっぱりvivoでもvitroでも僕は何かしらのメカニズムを一つずつ細かく分解して解き明かす話にわくわくするんだなと、改めて実感。

また、自分の積極性の無さも反省点の一つです。質問が浮かんでもこんなこと聞いていいのかなと躊躇していると、誰かが同じ質問をする。こんなことが2,3回ありました。
結局できた質問はゼロ。これが最も後悔すべき点だと思います。

一方で、今回の会議で得られた中で最も大きなものは同世代の人たちと仲良くなれたこと!少なくとも顔見知りにはなれたこと!です。フロンティアミーティングの時も思いましたが、違う研究室、違う大学の同世代の仲間がする発表は僕のモチベーションをものすごく上げてくれます。今回のポスター発表を見て、自分も負けてられないな。早く追いつこう。そんな気持ちになりました。少なくともこれから4年間はどこかしらで顔を合わせるはずなので、次に会った時もぜひ仲良くしていただきたいと思います!

長々と書いてしまいました。でもそのくらい楽しく記憶に残る会議でした。ほんとはもっと書きたいけど、楽しかったのは分かったからさっさと実験しろ!と四方八方から言われそうなのでこの辺で。笑

終わりになりますが、今回の会議が最後ということで、ギリギリ最後だけでも参加させていただくことができて本当にうれしく思います。今後も学会等様々な場でお世話になることがあると思いますが、どうかみなさんよろしくお願いいたします。
最後に、泊さん、そして武田さん素晴らしい会議をありがとうございました。


大籠

January 20, 2014

班会議@新白河

こんにちは。九州大学、佐渡チーム(佐々木研)在籍の酒田祐佳と申します。
今回の班会議にて感じた様々な事を改めて振り返りたいなと思い、ついでにフライト怖かったな、とふと思いまして、若干遅め、関係ない事多めではありますが、そこここの出来事を気軽に書かせて頂きます。

さて、みなさま、出張時に「これだけは苦痛だけど避けては通れないもの」に出会う事はありますでしょうか?
私は、たいてい、くらいの頻度で恐怖にブチ当たります。
私は飛行機が好きではありません。
手荷物検査を通り抜けたあたりから、不快感、食欲不振、稀に軽めの過呼吸に苛まれます。そのかわりに、着陸後には生きている喜びをかみしめる事ができるので、まぁあながち悪いことばかりでもない…ワケないです怖い。ともかく、そういった落差が生まれる位には飛行機が苦手です。何度も乗っていてコレなので真正の飛行機嫌いかもしくは神経症です。とはいえ、最近ではそれなりに搭乗経験を積んだ甲斐あって「そう頻繁に落ちるものではない」ということは分かってきたので、それなりにフライトを楽しんでおります(震え声)。
 
さて、2014年初フライト。機種はボーイング777-200。かなり良い乗り心地、でもフライト総合点(安心度)は75点。実は飛行機恐怖症の人が何に怯えているのかを分かってもらうために審査ポイント(詳細)を書いていたのですが、まぁちょっとあまりにもアレだったので割愛することにします。要は、「落下」を私に連想させたかどうか、で決まります。実際、落ちないのはどことなく頭では理解できているんですけれども、急な減速による失速しているような感覚、垂直落下系の揺れ、謎の旋回などは非常につらいのです。
関係ありませんが、最近知ったことの一つに、ウィングレットというものがあります。
機種によって主翼の羽の先が羽先に対して90°方向に上に折れているあの謎の構造体、なんかダサいし感じ悪い(怖い)なと思っていましたが、翼端渦を減らすor効果的に利用するように出来る素晴らしい装備のようですね。恐怖症ですと、あれ一つとっても「何故あんな形をしているんだろう…大丈夫なのか…?!」と不安に思うので、出来れば機内にそういう事に対する説明書があったら嬉しいですね。そういえば、前回のカナダのミーティングで中川さんに「揚力は羽の面積に比例する」と教えて頂いたので、主翼に関する不安が軽減されたので、きちんと飛行機の飛ぶ原理を理解出来れば苦手は克服できるのかもしれません(物理未履修)。

閑話休題。

 朝のフライトは8時と以外にも早かったため、後輩のS君は見事に予定フライトを寝坊でブッチしていました()。朝は混んでいなくても手荷物検査場の締め切り時間がかなりキリキリしているようです。アナウンスの時間通りに「きっかり締め切る」そうなので皆さまもギリギリの搭乗にはご注意くださいませ。幸運にもフライト変更料の請求は無かったのでよかったです。

そして会議。

うわあああああああ、楽しい、生きてて良かった!!!!
と、生きている喜びをかみしめ、新しく得た知識をひたすらノートに書き残す。

 帰ラボ後に満面の笑みでお留守番組だった後輩Cくんに、会議の内容をアレコレ話して聞かせ(てドヤ顔したりし)ましたが、優秀なCくんは、ああ、さわやかに、
「ああ、あの話ですね!!去年くらいまでのはフォローしてるんスよ、どうなったんですか?!
と返してきました。
 自分の記憶喪失っぷりにはたと気付いて唖然とするわたくし。
いや、毎日自分でやっているのでもない限り、詳細は忘れたりするものです(言い訳)。
なので、むしろ記憶喪失に陥っている人を、示したい結果まで過不足なく導いてくれるプレゼン力、過不足ない適切なイントロは本当に大事なのだと良く分かりました(今更)。「ラボのプログレスなんだから皆さん、知ってるでしょ」的、上から目線でイントロぶっ飛ばしたらそりゃブーイング受けまくるよな、と猛省したのでした(白目)。
 
 個人的には、今回の発表では生化学実験の素晴らしさをひしひしと感じました。
特に、すばらしい歌唱力で人々を魅了されていた泊さんが発表されていたPRC2componentRNAの結合実験の結果は、よっしゃあああああああああ、的な感動でした。多分、佐渡さんも同じだと思います。単に勉強不足というのもあるのですが、自分は生化学がてんでDAMEなので、例えばEMSAでシフトしている結果を見てしまうと、細かい所にあまり疑問を持たないまま、そうか、くっつくのか…と鵜呑みにしがちです。

自分があまりできない(しない)実験だから、想像力が働かず懐疑的になれない…ていうか分からん…というのではなく、良い意味で懐疑的になれるようやっぱり勉強しよう、と大変勇気づけられました。

さて、またも余談ですが、今回の会場だったすばらしきホテル、XIVは、他の観光地にもホテルがあるのですが、学生時代に住み込みでアルバイトに行った(私は軽井沢でしたが)ことがあったので内心とてもわくわくでした。まさか生きてお客として足を踏み入れる事があろうとは。
いかんせん住み込みだとわんさか働かされるわけですが、お金もたまるし、素敵なレストランの表裏が見られるし、制服はかわいいし、同室の子と仲良くなれたり、女子ならではのグループ内のいざこざを垣間見たり、それはそれはいろいろな経験をさせてもらった思い出のホテル(こういう書き方するとアレですがものすごく楽しかったです)。
お客で行くと、たいへん平和で優雅でご飯がおいしかったし、労働者側とお客側を両方体験できたのでこれで晴れてXIVはコンプリートしたぜ、的な気持ちですヤッター。
万が一、アルバイトに興味のある方がいらっしゃいましたら、繁忙期ちょっと前に、
「リゾートトラスト 採用 アルバイト」でググってみてください。

再び閑話休題。

 去年、カナダに行かせて貰った時から徐々にですが、おしゃべりできる同年代のひとたちが増えたのはすごく嬉しかったです。
 「同年代は同じような悩みを持っているので、話してみると共感とともにガッツがわいてくる」と仲野先生が仰っておられましたが、まさしくその通りでした。
 最近、修士を取った後に就職した、かなり仲が良かった大学の同期と会う機会がありましたが、しゃべっていても僅かな所で何かが共有できず、以前のようにはしっくりこない事に少し悲しい気持ちになった事がありました(涙)。なので、同業かつ同性の方々と将来の事や恋バナなど、ちょこっとでも話せたのは楽しくて、なんだか安心しました。同じフィールドにいる仲間は本当に大事なのですね(体感)。
 そういえば、他に共感したこととして顕著だったのは、みんな、食べ過ぎで胃もたれ状態だったことでしょうか。出張名物「3食きっちり規則正しく」は(一人暮らしの)院生には泥酔後の二日酔いに匹敵するくらいの負担です。おいしいな~と出されるままにうっかりmgmgしていると、内蔵疲労でぐったりします。大半残したのに激重い朝ごはん…朝食べないという習慣のせいなのか…とはいえ「アレ、これ二日酔いなのか?何かだるい…」が私だけじゃなくてほっとしたのでした。

しかしながら、今回の発表の中でも、「低脂肪食の方が長生き」な論文が紹介されていましたし、たくさん食べるis goodは、成長期を除いては当てはまらない事実なのだなと(遠い目)。
チラ聞きなのですが、今回の懇談会のどこかで、誰かが、体重ふえると仕事の効率下がるんだよね…的な事を仰っていた気がします。実はmee toなのでその方とは是非(体感や対策を)語り合いたいのですが…お心当たりのある方は、是非ご一報頂けましたら幸甚に存じます。

 二日目の夕食の後に開かれた懇談会では、すばらしい席替えシステムとカラオケシステムが導入されており、ものすごく楽しかったです。
Josephineさん、日本語だけでなく歌上手すぎ…すごい努力家だよなぁ…に始まり、締めの「浪花節だよ人生は」は最高でした。天は与える人には与えまくるんだなと確信しました。泊さん、素敵な歌声を本当にありがとうございました。
他には、荒木(喜美)さんのお隣をgetしたので気になるファッションのことや、気になるご夫婦の出会いのお話など、なかなかお伺いできないような事をお聞きする事が出来ましたィヤッター。素敵なデュエットもさらりと歌っていただいて、どうもありがとうございました。

そして会議は無事終わり、帰り、ボーイング777-300R、締めのフライト。総合点:60点。着陸間際に結構揺れたので心情的には大変でしたが、今生きているので良しとします。ああよかった。


 フライトはともかく、三日間、本当に充実した時間を過ごす事が出来ました。私は今回に限らず、これまでにも何度か班会議に参加させて頂いてまして、その中でncRNAの話をたくさん聞けて勉強になる、励みになるというだけでなく、様々な方々と交流する機会が「なんとなくすごく楽しいもの」から「とても実になる重要なもの」に変化しました。

 月並みな言葉になってしまいますが、すばらしい機会を本当にどうもありがとうございました。
ここで出会った縁を大切にしたいので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

January 16, 2014

紆余曲折を経ての班会議初参戦

はじめまして。TRIC秋光研のD3の今村亮俊です。(TRICという名称は班会議当日に知らされましたw)
TRICKとは"K"が一文字足りないですが、a"K"imitsu labのKを使ってTRICKの方がいいかなーとか考えていたのは内緒です。

今回の班会議、実は前々から参加したいと思っていました。
というのも、ある先輩が仲野先生とこの会議で知り合ったと聞いて、仲野先生のTwitterなどフォローしていて(実は隠れファンw)、お会いしたいなーと思っていたからです。
なので、先生から班会議行くかい?と誘っていただいた時は即答でした!

しかし、よくよくその後のメールをみると、日程は1/8-10。
私の博士論文の提出日は1/10。
そう、自動的に1/7に提出しなくてはいけない状況に追い詰められていました。
その時はどうにかなるだろーと思っていましたが、投稿中の論文が年末にリリバイスになり、年始に無事アクセプトされたと思ったら、表紙を急げ!という感じで急遽友人にお願いしていたら、いつの間にか1/4くらいになっていて・・・
そこから必死に博士論文を書いて、1/7の16時に出来上がり、急いで製本(後輩にも手伝ってもらい、「こんな状況になるなよ、君たちは」と言いつつ・・・)、教務課の閉まる17時にギリギリ提出して・・・という、なんともドタバタ劇でした。

そして、無事班会議に参加することに。
ここまで証明するのか!!と感動をしたり、表現型から入って解析するのも面白いなぁーなど色々な刺激を受けることが出来ました。
また、自分のポスター発表でも何人かの先生方に聞いていただくことができ、自分で足りてないなと思っていた部分は須らくツッコまれ、やはりそこを明らかにできると更に面白いんだろうな、と証明出来る実験を考えているところです。

私はRNA業界に入ったのがD2からなので、まだ日が浅くどんな雰囲気の会か分かっていなかったですが・・・
セッティングされた飲み会も夜の学生・助教の先生方との飲み会、PIの先生が突入してきた飲み会どれも大変和気藹々と話すことが出来楽しかったです。(うっさいやつだと思われていたと思いますが・・・)
初日から秋光先生に話のネタにされ、それが広まったのは悔しかったですね・・・w


最終日に念願の仲野先生と朝食をご一緒することが出来、様々な目的が達成出来た班会議でした。ありがとうございます!

今回の班会議でいい刺激を受けたので、これから更に面白い研究が出来るよう頑張りたいと思います!!
今後とも、うっさいやつですが、よろしくお願い致します。


今村

領域会議

東大アイソトープの秋光です。昨年の分子生物学会から、所属略称を TRIC (Todai Radio Isotope Center) と勝手に呼んでいますので、この名称をこれから宜しくお願いします。

前回ncRNAブログに投稿したのが2012年の3月だったので、実に、2年ぶりの投稿です。そんな筆無精の私から見ると、中川さんの筆まめには感動すら覚えます。私の世代の若かりしころは電子メールも黎明期で、もちろん、ブログとかFBなどもありませんでしたから、コミュニケーションは電話とか手紙が主体でした(高校生のころはポケベル(死語)が流行っていて、大学はピッチ(これも死語?)でした)。当時、公衆電話でポケベル暗号早押ししていた女子高生の「技」は神でした。中川さんも当時はポケベルとかしていたんでしょうか?今度お目にかかったら、是非、尋ねてみたいです。

さて、班会議では例のごとく気合いの入ったプレゼンと熱い質問の応酬でした。発表後もそこかしこで議論とか内緒話?とかが活発に行われており、ncRNAをキーワードとした研究領域がいまだホットな分野であることを雄弁に物語っていました。新人も多く参加しており、この分野はまだまだ成長するだろうことを期待させるに十分な雰囲気でした。この領域自体は今年度で修了ですが、この領域で得た有形無形の研究財産を生かして、もっと面白い研究を展開したいと思います(なんだか、新入生の決意表明みたいで、ちょっと、恥ずかしいなあ)。

January 10, 2014

浪花節だよ、研究は♪

班会議も無事おわり帰路についています。
とにかく全ての発表、ポスター面白かったです。
へーっとうならせられることばかり。
本当に本当です。
To be continuedの大いなる助走のような発表も、クローズドの班会議ならでは。
そして何より、今回も多くの方と研究の話が楽しめました。
とにかく全てが素晴らしい会でした。一年に参加する学会か研究会を一つだけにしなさい、といわれたら、迷わずこの会を選びます。
本当に、泊さん、ご苦労様でした。
本当に、本当に、皆様ありがとうございました。
これからも仲良くしてやってください。

浅原

班会議

ついに最後の班会議になってしまいました。そこでなされな会話は、、、ヒ、ミ、ツ、はあと、なんて言っている場合ではありません。懇親会がすごく面白かったとか、領域代表の泊さんが満を侍してマイクを握ったとかはおいておいて、ちょっとシビアな話を。あくまでも個人的な意見です。当ブログは所属機関の意見を反映したものではありません。なんて、なぜこういうセコいというか、不細工な言い訳をするようになってしまったのか、、、というのはおいといて、

このブログを訪れる方々は少ないので書いてしまいますが、というか、百万アクセスあろうがなかろうが書いてしまいますが、実験生物学は結果がすべてで、それはいわゆる「良い」結果が出ようが、「悪い」結果が出ようが、良い悪いよりも、出るということが大切なのは自明です。悪い結果が出るというのはむしろ自慢しても良いはずなのに。

もう一つ。何で、聞きたいことを聞かないんだろう。おぬしが質問タイムの度にマイクの前に立つのが悪いんじゃというご意見はあるでしょう。でも、言葉を話さなくても誰か分かってくれるというのは、妄想に過ぎません。ポスドク問題とか巷では良く言われますが、学会なり、班会議なりで質問やディスカッションを一つもしてない人をポスドクと呼んでよいのでしょうか。それは違うでしょう。見上げたもんだよ屋根屋の褌、たいしたもんだよカエルのしょんべんです。

と、おっさんの域に達した人々がさんざ愚痴をこぼしていた小雪がしんしんと降る福島の夜。明日は、big mouthの逆襲♪