June 28, 2014

さよならは別れの言葉でなくて

そうなのです。再び会うまでの遠い約束なのです。

というわけで、ノンコーディングRNA関連研究の新しい新学術領域が立ち上がりました!

その名も「ノンコーディングRNAネオタクソノミ」

このジンクピリチオン臭満々の領域名。領域名を考える時に、実体が伴っているのだから名前負けしてはいけない!と意気込み過ぎて、領域代表廣瀬さんのオリジナルの「タクソノミ」に、よからぬ連中の遊び心で「ネオ」が付加されてちょっと浮いてしまっている感はありますが、よろしくお願いします。非コードRNAの継続領域という位置づけではありませんが、バトンをしっかりと受け止めて、さらに加速していきたい。ボルトの後半のように加速していきたい。いや、前半からロケットスタートをしたい。ただしドーピングは厳禁!!

80年代なのか現代なのか微妙にネタがブラックにかぶっておりますが、このノンコーディングRNAネオタクソノミという概念、今後、ノンコーディングRNA研究において非常に重要な概念になると思っています。ネオタクソノミ?なんじゃそれ?という方も多いと思われますが、夢のコラボ、ネオタクソノミ領域代表の北大の廣瀬さん、おなじみ泊さん、三嶋さんによる総説をご覧下さい。

ジンクピリチオンの効能書きですが、手短かに言えば、タンパク質の研究をするときに日常的に行っているアミノ酸配列から予測される機能ドメインに基づいた機能解析を、ノンコーディングRNA研究に応用しようという、シンプルな発想です。アミノ酸配列を見る限り機能未知のタンパク質であれば手が出せませんが、たとえばそこにSHドメインがあったりカドヘリンリピートがあったりホメオボックスがあったりすれば、想像をたくましくしていろいろな解析が可能になるわけです。ところが、ノンコーディングRNA研究においては、そういった論理的な想像を巡らせる余地はなく、これはすごいに違いない、というただの「妄想」でしか機能解析をすすめることが出来なかったのが実情です。恋は盲目。Gomafuに首っ丈。しかし、それではしばしば解析が難航してしまいます。そこで、RNAサイレンシングに関わる「小さな」RNAや、XistやNeat1などの機能が良くわかっているRNAのファミリー遺伝子で保存されている特性ーたとえば配列であり、二次構造であり、もしかしたらRNA修飾であったりーそれを「作動エレメント」として同定し、それをもとに、機能を予測しながら効率的に機能解析を進めていこう!!というのが基本コンセプトになります。

作動エレメントにはいろいろな要素があるはずです。繰り返しになりますが配列に二次構造、そして化学修飾。勿論そこに結合するタンパク質も大事な要素です。これまでのアルゴリズムでは予測できなかった二次構造を見つけるアルゴリズムが生まれるかもしれませんし、予測もつかなかった化学修飾が同定されるかもしれません。もちろん、クラシカルなアプローチで新規機能性ノンコーディングRNAが見つかるかもしれませんし、ノンコーディングRNAとおなじ作動エレメントを持つコーディングRNAも見つかるかもしれません。

と、書いていてひとり盛り上がってしまっていますが、これはかなりオタクな盛り上がりで、某学会の懇親会で進撃の巨人(まだ良く知らないのです)についていろいろ聞き回って(だって気になるじゃないですか)誰にも相手されなかったのを思い出してしまいました。。。

ともあれ、非コードRNAの新学術が終わったのは、あくまでも始まりの終わりであって、これから本当のエピソードが始まるに違いない。きっとそうに違いない。いや、そうである。まだまだマイナーな研究分野かもしれませんが、まだまだ、つづきます!!

中川

(つづく)