June 9, 2010

非コードRNAはどれぐらいあるのか?

PLoS Biologyにこんな論文が出ていました。
意味のある非コードRNAは、ヒトやマウスでさえも、思っていたほど多くないのでしょうか?

2 comments:

  1. この論文のDiscussionにある、
    To be conservative, a null hypothesis should perhaps be that novel transcripts—particularly those that are small and low-abundance—are a by-product rather than an independent functional unit [58]. Searching for phenotypes caused by genetic perturbation may be the most useful approach to disproving the null hypothesis.
    がすべてだと思います。

    この論文で問題にしているのは、特にタイリングアレイで「見えて」きた、遺伝子間領域にある転写産物です。「ノンコーディングRNA」というのは「タンパク質」ぐらいあいまいな言い方なので、ちょっと乱暴に分類すると、

    1 RefseqやUnigeneに登録されるような発現量の多いノンコーディングRNA(XistやMalat1やMENやGomafuなど)
    2 RNA seqやタイリングアレイで明らかになってきた「プロモーターや転写終結部位から読まれる」RNAたち
    3 RNA seqやタイリングアレイで明らかになった「遺伝子間領域にある」転写産物たち

    となります。3に関してはやっぱりノイズなのでは?というのがこの論文の主旨ですね。特に、遺伝子間領域で転写されているような領域はDNAseIの高感度領域と一致するので、クロマチンがゆるんでいるところに「たまたま」polIIが立ち寄ってRNAが読まれた可能性が高い。というわけです。じゃあ何故クロマチンがゆるんでいるのか、となると良く分かりません。積極的にRNAの機能を考えるのならば、例えばこの領域がまず転写され、クロマチン修飾酵素が呼び込まれ、クロマチンがゆるみ、最終的に何らかのエンハンサーとして働く、というストーリーでしょうか。

    冒頭にも書きましたが、重要なのは、ノンコーディングRNAなんてただのゴミだ、というゼロ仮説からスタートして、その仮説を棄却するための遺伝学的な検証をするのが一番大切、という彼らの主張だと思います。まさに、当新学術、影山班の目指すところ、です。ちなみに、上記分類の1に相当するノンコーディング RNAは、やっぱり高等脊椎動物で多いのではないか、と思っています。もう少しきちんと調べてみます。

    中川

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  2. そうですね、そういう風に分類すると非常に分かりやすいですね。
    (普段はごっちゃにしゃべってしまうことが多いことを反省・・・)

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