Cytoplasmic compartmentalization of the fetal piRNA pathway in mice.
Aravin AA, van der Heijden GW, Castañeda J, Vagin VV, Hannon GJ, Bortvin A.
PLoS Genet. 2009 Dec;5(12):e1000764. Epub 2009 Dec 11
マウスの雄の生殖細胞では、piRNA 経路やde novo DNA methylationによりトランスポゾンの活動が抑制される。piRNAはPIWI タンパクと相互作用し、トランスポゾンに対する防御機構として働くと言われているが、その生合成過程や詳細な機能などは未知の部分が多い。
今回のBortvinらの研究により、雄のマウスの胎生期始原生殖細胞において①piRNA経路が空間的、機能的に区分されていること、②トランスポゾン抑制への関与が示唆されているMAELが、piRNA経路において重要な働きをしていることが明らかとなった。
① 胎生期のpiRNA経路で働く主要な因子であるMIWI2とMILIの局在を調べた結果、MIWI2-TDRD9-MAELとMILI-TDRD1は細胞質において異なるコンパートメントに存在することが明らかとなり、前者をpiP-body、後者をpi-bodyと名付けた。piP-body とpi-bodyは近接した領域に存在していた。また、piP-bodyはmRNAの分解やタンパク質の翻訳抑制に関わる因子も含んでおり、piRNA経路がmRNA分解/タンパク質翻訳抑制と協調して働いている可能性が示唆された。
② Mael mutantの生殖細胞では、MIWI2の局在異常、piRNAの減少、de novo DNA methylationの遅れなどが見られ、MAELがpiRNA経路のうちMIWI2依存的な段階に関わっていることが明らかとなった。また、Mael mutantでは、トランスポゾンの一つであるL1にコードされているORF1pタンパクの発現に影響が見られた。このことから、MAELがトランスポゾンの発現抑制に関与する因子であることが示唆された。
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