December 4, 2009

事業仕分け

影山です。タイムリーなうちに書きたくなったので割り込みます。今ちまたで話題の事業仕分けのうち、若手研究者育成事業の評価に関する話題です。色々言いたいことはありますが、一点だけ。

若手研究者育成事業への評価コメント欄に、おそらくは学術振興会の特別研究員制度に関する批判として、「博士養成に関する過去の政策の失敗を繕うための政策」「ポスドクの生活保護のようなシステムはやめるべき」などというスゴイ意見がありました。無論誤解なのですが、この中には二つの誤解が含まれています。一つ目は、多くの研究室では、実際に研究を行っているのは PI ではなく、大学院生やポスドクであり、彼らが文字通り研究推進の主力であるということ。二つ目は、学振の特別研究員はごく限られた数の(二割ちょっとです)厳選された研究者が対象であって、ポスドク問題の解決策としてはあまり意味がなく、根本的に違う問題であること。要は全く理解されていないということです。

わたし自身もこの制度に助けられましたし、この制度がなければおそらく人生が変わっていたと思います。また、最近までわたしの研究グループにいた学生さんが、彼の研究テーマを発展させることができたのもこの制度のおかげです。若手研究者だけを括って研究支援をする意味はちゃんとあるのです。

同じように憤っている方(特に若手の方)、パブリックコメントはまだ受け付けているようですから(12/15まで)、ぜひとも不満をぶちまけてください。
[url]http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm[/url]

また、科学技術振興費の仕分けに関する情報は、以下の Wiki でよくまとめられています。御参考まで。
[url]http://mercury.dbcls.jp/w/index.php[/url]

影山裕二

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