先日、岡崎で行われた 4th International Symposium on Nanomedicine なる国際シンポジウムに参加しました。発表はもちろん英語で、Dr. Joan Steitz をはじめ、海外からのお客様も何人か参加されていましたので、発表以外でも英語を話す機会が多々ありました。
わたしはアメリカに4年も住んでいたくせに、未だに英語に対する苦手意識が強くあります。当時は英語で考えるのが普通になっていましたが、最近では日本語で考えるのに慣れてしまって、すぐに英単語が出てこないこともしばしばです。昔は使えていた単語を忘れてしまっている、ということもあります。
こういうときに必要なのは何か。第一に準備です。発表に関していえば、ちゃんと準備していればそんなに困ることはありません。原稿を作って丸暗期してしまえば普通に発表できます。今回はそこまでしませんでしたが、practice talk はそれなりにやったので、それなりの発表だったと思います。うまく伝えられなかったとしても、それは準備不足のせいではなく、今の私の英語能力が低いせいだと思って諦めがつきます。
さらに重要なのは開き直ることです。当たり前ですが、いくら日本人が頑張ったところで、native speaker になれるわけではありません。通じないのが当たり前と思えば、何とか頑張って伝えようという気にもなります。中川さんも書いていましたが、こと発表に関しては、発表者が絶対的な立場にあって、聴衆は何とか聞き取ろうとします。質疑応答でもそれは同じことです。片言でも何とか返せばそれなりに理解しようとしてくれます。ともかく言葉を発することが大事です。
最後に、コミュニケーションはすべからく伝えようとする内容が重要です。その場を和らげるようなジョークが言えるほど言葉に自信がある人ならともかく、そうでないフツーの人は、何が言いたいのか自分でわかってないといけません。発表以外のコミュニケーションでは、それがわかっていないと墓穴を掘ります。こう書くと常に緊張しながら話さなければいけないように聞こえますが、実際私は会話を楽しむときもどこか緊張しながら話している気がします(性格によるところも大きいのでしょうけれど)。
これらの点を抑えておけば、外国の研究者とのコミュニケーションは非常に有意義で楽しいものです。なにしろ自分の全く知らない情報を教えてくれたり、それまで考えていなかったようなアイデアを言ってくれたりするわけですから。日本人同士でも同じようなことは言えますが、普段会わない人達からの情報・アイデアはさらに貴重です。
とまぁエラそうに書いてますが、私はよく失敗するので、実は反省することしきりです。上に書いたことは、あぁやっちゃったと思いながら反省することの多い点を並べたものでもあります。会場で見慣れた人たちが普通に話している(ように見える)のをうらやましく横目で眺めながら、もっと自由に話せるようになりたいなぁ、とひとりつぶやいたりしているのでした。
影山裕二/岡崎統合バイオ
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