May 15, 2010

CDB meeting

5/10-12まで神戸であったCDB meeting "RNA Sciences in Developmental Biology" ですが、大変盛況な会で、改めてこの業界の活発さを実感しました。

この会、理研CDBの中村さんと中山さん、それから当新学術の代表の泊さん、もう一つRNA関連の新学術の代表の稲田さん、それから京大の大野さんや神大の井上さんらの企画ではじまったもので、海外からの参加者が30名余り、うち招待スピーカーが13名、ポスター演題100題越え、呼んでもいないのに(?)EMBOのエディターが飛んでくるという、とっても国際色が豊かで、かつ内容の濃いものでありました。個人的には、憧れのCarmichaelさんにも会えましたし、初っぱなのトークでいきなり会のテンションをトップギアに入れたスプライシングのBlencoweさん、おしゃべり好きでいつも皆が食べ終わっているのにお昼のお弁当が一人だけ残っていたおちゃめなXist研究者Gribnauさんら、個性豊かな研究者と話が出来てとても嬉しかったです。このような会が日本で開催される、そしてそこに学生さんがどんどん参加できる(なんとCDB meetingの参加費はタダ!)ということに、よき時代を感じずにはおれません。

この会に参加して、何点か思ったこと。

今回の参加者は、特に海外からの招待講演者は、かならずしも世間的に名の売れた超著名の人ではなかったかもしれません。ただ、みなさん全部バリバリ現役、しかも会に参加することに貪欲な若い人が多かったのがミーティングをものすごく盛り上げたのは間違いないと思います。自分の発表だけその場にいてあとは神戸観光、なんてひと、一人もいませんでしたから。交流に熱心になってビールを飲み過ぎて二日酔いになっていた人はいたようですが。。。大御所はいらん。若い人を、熱心な人を、というオーガナイザーの方々の一貫した方針があったおかげで、この会がこうも「盛り上がった」のは間違いないでしょう。そこかしこで、この会はおもろい、CSHLのミーティングより面白い、とかいう声がきこえてました。

日本人の若い学生さん達。参加するだけじゃダメだというのは良くわかっているとは思うのですが、その割には質問が少なかったですねー。ただ、休み時間やポスターなど、頑張っている人は頑張っていたようです。まあ、なんでもよいから質問しろ、岡田節人先生などWhat is DNA?でも良いから質問しろ、などとおっしゃられていたようですが、ちょっと時代は変わってきているのかもしれません。かつて日本で行われていた「国際会議」はちょっとお祭りみたいなところがあって、英語が苦手な学生さんの発表や質疑応答もご愛敬みたいなところがあったような気もしますが、で、そういう場で皆練習を積んだもんですが、最近はあきらかに全体のレベルが高すぎて、かつては名物だったご愛敬質問がむしろ場に合わない、みたいに思ってしまうのかもしれません。ただ、恥をかくのは若者の特権。突撃と撃沈をもっと見たかったような気もします。

これは会全体の話とは違うのですが、大学院の教育について。僕自身は大学院教育にはほとんど関わっていないのですが、海外からのゲストと話をしていてよく出ていたのは、「大学院生はすぐ目の前の実験に夢中になるからねー」ということ。これ、ネガティブな意味なのですね。PIとしては目の前の実験に夢中になってバンバン結果を出してくれればこの上ありませんが、そりゃいかんのではないか、とそろそろ業界全体が再考しても良いような気はします。恥ずかしながら、僕自身、RIの再教育訓練や大学院の講義に全く出ずに自分の実験ナンバーワン、なんて思っていましたが、今からすると全くもって忸怩たる重いです。自分の将来の可能性をわざわざ狭くすることはないし、サイエンス全体として考えたときにより多くのバックグラウンドを持つ人がどんどん出てくることは大きなプラスです。先述のBlencoweさんの研究室がある建物。各階に異分野の研究室がわんさか集まっていて、しかもその研究室同士を直接つなぐ形で階段があるみたいなんですね。誰が設計したんでしょう。そのほか、面白い仕事をしている人はバックグラウンドが広いなあ、というのを痛感した会でもありました。

ちなみにこのCDB meeting。驚くべくことに事務仕事はほとんど遠山さんと高橋さんという、二人の方でやられているのですよね。和光の理研ではこの手の会議を開くたびに研究室全体がてんてこ舞い、なんてことになるようですが。雲泥の差です。理研CDBがうらやましー、のはそうなのですが、そんなことを言っておらずに、自分らの組織でもこういう人を持てるように努力せねばならんと、思った次第です。誰も文句を言わない実績を組織のみんなが出し続けていれば、自然とそういうふうな人を雇えるようにもなってくるでしょうから。

だらだらになってしまいましたが、ともあれ、関係者の皆様、素晴らしいミーティングをありがとうございました。

K岡君。あんまり質問してなかったから、もしこれを読んでいたら、ミーティングの参加記ぐらい書きなさい。と、ふっておきます。

中川

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