July 9, 2013

松山坊ちゃん男女共同参画

 梅雨も明けて本格的な夏がやってきました。夏と言えば、そう、RNA学会です。分子生物学会や生化学会と比べると小さな小さなRNA学会ですが、何せ若い若い学会だけあって、立ち上げメンバーがまだまだ現役ばりばり番付上位を占めておられるだけあって、参加するたびに熱気ムンムン、それは夏の暑さのせいだけではないムンムンを、毎回感じます。今年はどんなビックラ仰天があるでしょうか。

当新学術のメンバーの方々もいろいろ発表されるようです。かくいう私のラボも。ここ数年、産総研の廣瀬さんとノンコーディングRNAが作る核内構造体パラスペックルの解析を進めていますが、その構成成分、特にRNA成分を調べてみたらなぜかイントロンがとれた、という話をします。論文になってもいないのにこんなところでネタバレしてよいのかどうか分かりませんが、大丈夫大丈夫。どうせ日本語ですし、ごく限られた人以外誰も見ていませんし、、、と自虐ネタはともかくとして、自分の頭で考えてもさっぱり分からないから、箱入り娘でガードしておくよりは、いろいろな方からコメントがいただければと思っています。山中さんがiPSを作った時は、そのあまりに衝撃的な結果に、ラボの中でも情報統制をひいたとかいう話がありますが、VIPにSPが数人つくのは当然のこと。同様に小市民にはそんなのちゃんちゃらおかしいのも当然の事、です。良いアイデアを思いつくことが出来る人とそうでない人がいると思うのですが、後者の人間に出来る事は、ただひたすら教えを請う事かな、、、と。どなたか、特定の配列(GAリピート)を持つイントロンが核内の特定の構造体にたまる生理的意義についてなにかご存知の方、ぜひぜひ会場でコメントお願いします。"intron & paraspeckles"でGoogle先生に聞いても「"intron & paraspeckles"との一致はありません」とおとといきやがれみたいな応対です。ああ、Googleよ。なぜあなたは知りたくもない「鼻毛の白髪」については0.22秒で 194,000 件ものどうでも良い、でも腹を抱えて笑ってしまう情報をくれるのに、私の本当に知りたい事については何も答えてくれないのか、、、

と、話がすごくそれてしまいましたが、今回は学会のランチョンセミナーの男女共同参画企画の宣伝です。内容についてはRNA学会会報で宮川さんのほうから紹介記事(36ページから)があります。

演者の方は、東大の大杉美穂さんです。大杉さんは個人的にはものすごくニアミスな存在で、学部時代、東京の友人宅に押し掛け宴会をしたついでに酒臭い息を隠し隠し、東大の生化の授業にモグリで出た事があるのですが、教室の片隅で弥勒菩薩のような(微妙に失礼?)微笑みを浮かべている大杉さんに思わずドキッとしてしまったことを良く覚えています。いえ、はい。独身時代ですから。特に会話をするはずもなく時はすぎて昨年の発生・細胞生物学会合同大会。若手セッションの座長をさせていただくことになり、えーと、もう一人の座長は誰かいな、と目を走らせてみると、なんとそこには大杉さんの名前。いえ、はい。もう所帯持ちですから。特に心躍らせる事もなく(微妙に失礼?)、しかしながら、同期の人間が同業者にいるというのを知るのは理由もなく嬉しくなってしまうものです。今どんな仕事をされているのだろうとそれなりに再会というか初対面を楽しみにしていた学会直前の週末。長男がマイコプラズマ肺炎で入院、その兄弟姉妹も発熱で撃沈、とパンデミックに直撃された中世ヨーロッパみたいな状況になってしまいまして、あえなく座長キャンセル。大学院時代の頼もしい後輩Uにピンチヒッターをお願いし、結局大杉さんとお話をする機会はまたこんど、になってしまいました(昨年末の分子生物学会でようやくあの時は申し訳ありませんでしたと会場前で会話する事が出来ましたが。。。)。

下らんエピソードをついつい書いてしまいましたが、今回の男女共同参画は当新学術の班員でもある宮川さんがオーガナイザー。宮川さんと言えば「さきがけ」の面接で、、、と下らんエピソードをぐっとこらえて本題です。今回の男女共同参画は、宮川さんと大杉さんの、震災後のちょっとしたやり取りがきっかけとなって、こういう話をしてみよう、ということになったそうです。詳細は当日のお楽しみ、もしくはRNA学会会報をご覧頂くとして、現状は良くも悪くも、というか悪いことに「男社会」。そこに「女性」を「共同参画」させる際に、さんざ聞かされているのは、分け隔てなく。同じように。という発想です。しかしながら、男と女が肉体的に違うのは当たり前ですし、考え方だって異なっていても不思議ではない。震災後に、宮川さんと大杉さんは自分の研究費が少々削られても良いからなんとかしたい、という話をしている時に、周りのオトコドモはもらえるものはもらっとけ、という発想がドミナント、というのは、さもありなんという話です。僕自身、オトコドモの発想をしてしまうかもしれない。。。自分と違う発想をする人がいるからこそ、新しい事へのとっかかりが出来る。だからこそいろいろな人の話を聞くのが、大切。サイエンスの世界では当たり前のことですが、男女共同参画も、全く同じ事かもしれません。同じだからではなく、違うから尊い、という観点で、男女共同参画を捉えるのは、とても大切な事だと思います。

松山の学会ではほかにもいろいろな企画が盛りだくさん。松山と言えば、、、

(よけいなエピソードがだらだら続いてしまったので、select&deleteで今回はこの辺で強制終了します…)

中川

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