
そしてこの特集号。DGD編集長の東北大の仲村春和さんとRNA学会長の塩見(春)さんの肝いりで実現した華麗なるコラボレーション、とまではいかないかもしれませんが、粒ぞろいのレビューが満載です。母性因子やpiRNAがらみで比較的RNA研究者にもなじみのある生殖細胞がらみの話や、だれもがあっとその美しさに声を上げあげたであろうテトラヒメナの大核小核の話、植物のサイレンシングの話にエピジェネティックスの話、当新学術のメンバーのムッキー中山さんとデレック後藤さんのレビューはfree articleで読めます。発生生物学会の学会員はタダで読めるので、図書館に無いときにはその辺に居る発生生物学会員にお声かけください。
このDGDなる雑誌。日本の発生生物学会が発行していた雑誌で、現在はBlackwellの方に組み込まれていますが、歴史的な経緯もあり投稿者のほとんどが日本人です。発生学会の人間にとって、でぃーじーでぃー、という言葉はなんとも微妙な、心のどこかがくすぐられる響きをもつ言葉であって、例えていうならば、片田舎の芋くさいねーちゃんが都会に出てビックリするほどきれいになって芸能界にスカウトされてとある映画の端役をきっかけに大きな注目を集めスターへの階段を上っていって今は押しも押されもされぬ大女優、その彼女が小学生だったときの初恋の相手、みたいな感じでしょうか。僕が大学院に入りたての時は季刊誌だったのが投稿数の増大に従い月刊誌になったは良いけれどもだんだん投稿数が先細りになって、なんだこれどこの業者のパンフレット?ぐらいに薄くなっていた頃、「DGDは生かすか殺すかせなあかん!」なんて過激なことをおっしゃる先輩方も居ましたが、現編集長の仲村さんのご尽力で、一時はインパクトファクターが1ぐらいまで落ち込んでいたのが、最近はようやっと2を超えてきたようです。と、こういう話を本当はあまりしたくないのですが、DGDのような国内の学会誌はインパクトファクターという物差しではかるのが一番ふさわしくないとは思うのですが、これだけ世の中がグローバル化されてくると、そういう基準が入ってくるのはある程度致し方ないことなのかもしれません。この辺りはまた何かの機会に考えてみたいと思っています。
ともあれ、このレビュー集。お時間のあるときにアブストラクトだけでもざっと目を通していただければ幸いです。
中川
No comments:
Post a Comment