横浜市大院・医・分子薬理神経生物の佐々木です。
本年度から公募班に参加させていただくことになりました。
私の研究テーマは神経軸索の局所翻訳制御機構とその生理的役割です。局所翻訳を制御する因子としてRNA結合タンパク質とマイクロRNA (miRNA) の研究を行っております。
ちょうど、現在発売中の「細胞工学」六月号の特集が「神経細胞特異的な翻訳制御」であり、当領域班員の藤原さんをはじめとして七名のRNA研究者の総説が掲載されています。私の総説も掲載されていますので、ご参考までに。
私は神経軸索を大量かつ高純度に単離できる新規培養法、「ニューロンボール法」を開発し、軸索におけるmiRNAのオミクス解析を行っております。軸索に局在するmiRNAの局在機構を探るために、その輸送マシナリーを研究したいと思い、当領域に応募いたしました。非コードRNAに関してはまだまだ研究を始めたところなので、班員の皆様に教えを請うことが多々あると思いますが、よろしくお願いいたします。
私は今まで情報伝達の研究を行ってきました。神経軸索先端の成長円錐での局所的な情報伝達の研究を行っているうちに、局所翻訳調節、miRNAと研究が進展してきました。研究を続けるうち、miRNAは細胞外の刺激に応答して輸送され、局所的に濃度が変化し、局所翻訳を調節するのではないかと考えるようになりました。そうなると、miRNAは結局情報伝達分子と同じような仕事もしているかもしれません。というわけで、研究分野を移り変わったつもりが、やはり元と同じように情報伝達の仕事を続けていることになるのかなと感じ始めています。
来週のCDB meetingでは約20年ぶりぐらいに再会することになる影山さんをはじめとして、皆様とお会いするのを楽しみにしています。
佐々木さんの昔のお仕事を拝見しておりましたらセマフォリンとかいう懐かしい名前が、、、
ReplyDelete神経発生などの「高次」な現象を追っていけばいくほどRNAといったよりベーシックな分子の動態が気になってくるというのは面白いなあと思っております。神戸にも来られるのですね。プレ班会議みたいで、楽しみです。
中川