「最近の若いもんは」、というのはメソポタミアの時代からある決まり文句で、熱意が無い、夢が無い、視野が狭い、努力が足りない、遊びも足りない、、、、、(以下略)の枕詞としてはおそらく最古の歴史を誇っていると思います。なにせ文明の始まりとともに生まれた言葉ですから、いくばくかの真実を含んでいるに違いなく、もしかすると人は年をとればとるほど夢が広がって(人によってはありそうな話です)、視野が広くなって(これはそうかもしれません)、努力をするようになって(そういう人も中には、、)、先輩へ敬意を示すようになって(先輩はもう鬼籍に入っているかもしれませんが)、遊ぶようになって(それはそうかも)、、、ということなのかもしれません。何だそうだったのか。納得。
冗談はさておき、「若い人」がとかく話題になりがちなのは、期待の裏返しであることは間違いありません。とんだおせっかい、という気もしますが、お節介には負けん気で対抗するのも大事なような気がします。僕が学生時代のころを振り返ってみると、独特の皮肉で学生の自尊心をチクッと刺激することにかけては一級品だった某Y御大の授業でだいぶこれをやられ、何クソとムキになって勉強したのをよく覚えています。
「君らは大学が勉強をするところとか思っていないんでしょ」
「まあ最近は大学が研究をするところでもなくなってきてるかも知れないしね」
「君らんなかで必須アミノ酸の構造式かけるひとなんているのかね」
「最近の学生は質問しないからね」
「、、、」
10分に一回ぐらいこれですから。毎週金曜日の2コマ目(だったかな)のあとはアドレナリン全開です。あまりにムカムカしてきて気持ちを静めるために授業が終わるやいなや大文字山を駆け上がって頭を冷やしたこともあった、、、いやこれは大げさか。
期待されているうちが華とは良く言ったもので、中堅の研究者になるとデフォルトでは注目度ゼロになってしまいますから、そういう意味では文句を言われようが何しようが、気にかけてもらえるのは若者の特権であるような気がします。
分子生物学会でも、その後のTokyo RNA Clubでもたくさんの若い人を見かけました。若い人にはある日突然人生が変わるような出会いやチャンスがたくさんあるはずです。そのチャンスを絶対に逃さない、という気持ちで日々頑張りたいものです。僕もまだ若い、、、つもりですので。
中川
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